フレットバリと言うのでしょうか、ギターを弾いた時に、フレットの端がネックよりはみ出したようになって、ネックを握る指に当たる状態。
本来こうなっているはずですが
それが
こうなってしまってる状態
※オーバーに描いています、実際は目で見て分からないくらいの微小な出っ張りです。
パッと見分かりませんが、手で触るとはっきり分かります。
(握り込んだ親指が指板の上まで来るようなスタイルの人は、上側も気になるかも知れません。)
親指をネックの裏側に置く、いわゆるクラシックスタイルで弾く人はあまり気にならないでしょうが、ネックを握り込むように弾くスタイル(ロック式?)だと、指にフレット端が当たって痛いので気になりますね。
私も過去に2~30本はギターを所有してきましたが(正確な本数は不明)、その中で、一本だけ、入手した時からこのフレットバリが気になる状態のギターがありました(中古で入手)。
高級ギターではないので、加工精度が悪かったのだろうと思い諦めましたが
(わざわざ修正に出すほどでもなく。。。自分で修正もなかなか大変で。。。次にフレット交換する時にはちゃんと修正してもらおうと思いましたが、あまり弾かなくなってしまったので、そもそもフレットは減らない・・・)
※修正するには、はみ出した部分のフレットを削るしかないわけですが、それをやろうとすると、どうしても、金属以外の部分も削れてしまうのが気になるのですよね。。。
ガチガチにマスキングしても、金属を削るわけですから、かなり強くヤスリを当てる必要があり、やっぱりマスキング部分も削れてしまいます。そもそも極微量な出っ張りの世界なので、マスキングの厚み分で、ちゃんと削れません。
つまり、フレット端部の修正というのは、どう頑張っても、塗装/木部が削れてしまうのは避けられないものだったりします。
最低でもネックの塗装分は削れてしまうのは間違いなし、木部まで削ってしまうくらいでないと、滑らかにはなりません。
おそらく、製作時にフレットを初めて打った時も、フレットの端部をヤスリで整える時に木部まで削っているはず。
そしてさらに、フレットを打ち替える度に、この端部の処理が繰り返され、その度に指板の端部がより深く削られて行くことになるわけで。
つまり、フレット交換する度に、ネックの(指板の)端が削れて、徐々にネックの形状は変わっていくんだと思います、まぁそれは仕方がない、ギターの宿命なのでしょうね。。。
(※オーバーに描いてあります)
☆削れてしまうのはよいとして、削ると当然、塗装がハゲて木部がむき出しになってしまうという問題があります。
製作時であれば、削って整えた後に塗装すれば問題ないのでしょうが(塗料がフレットに載ってしまうのでそれを削る作業が必要になりますが・・・)
フレット打ち替えの際は、塗装が剥げてしまった分だけ再塗装するか、一度、全体の塗装を剥がして再塗装・・・なんて事は、多分、あまりしないでしょうね。
(想像です、実際にどのようにリペアされるのか見たことありませんので。店の人と話した時、ネックの狂い出し・再調整の場合は塗装を全部剥がして調整しなおすという事はあるとは言ってましたがが。予算ケチって「フレットだけ打ち替えてくれればいいから!」という客も居るでしょうから、毎回そうはできないですよね、きっと。。。。)
剥げた部分だけ再塗装していくと、当然残ってる塗装部分は重ね塗りになりますので、塗装も段々厚塗りになっていく、というのも宿命ということでしょうか。
きっちりマスキングして、削れた部分だけを塗装し直せばよいのでしょうが
まぁ塗装が重なると言っても微々たるもので、気にするようなものではないのかも知れません。
まぁフレットの打ち替えなんて、そのギターの生涯の中で、そんなに何十回もやるものではないだろうとは思いますしね。
そして、昨日なんですが!
しばらく弾いてなかった(と言っても2週間程度)ギターを久々に弾いたら・・・
痛い?!
フレットバリが!?Σ( ̄。 ̄;)
そのギターは、微かには引っかかりがあったものおん、気になるほどではなかったはずだったのですが、ハッキリと"出てる"
なぜだ?
2~3週間前は出ていなかったわけで。これが噂に聞く「ネック痩せ」なのか?!
そう言えば、ここしばらく、「記録的な寒さと乾燥」とか言ってましたね・・・
乾燥しすぎてネックが痩せてしまい、フレットバリが出てしまったということなのか・・・
(木部と塗装は乾燥で収縮しますが金属のフレットは縮まないためそうなる。)
今まで持っていたギターでそんな症状になったものはなかったので、フレットバリがあるのは、加工精度が悪いからだろうと思っていたのですけど、ネックが痩せるなんて、本当にあるんですねぇ・・・
実は、入手時からフレットバリがあったギターと、今回フレットバリが出てしまったギター、同じメーカーの、同じシリーズです。
Bacchus(バッカス)のGLOBAL Series(グローバルシリーズ)
バッカスの”グローバルシリーズ”は、フィリピンに設立された自社工場で日本人マスタービルダー達の指導の下、日本国内の本社工場と同等の設備と工程を経て1本、1本、ハンドメイドで丁寧に製作されています。 特に弾きやすさに大きく影響するネックの構造は、グリップ形状、トラスロッドのサイズや素材、埋め込むカーブの設計、トラスロッドの埋め込み加工方法を国産と同じにすることにより、音質、精度、プレイヤビリティといったギターのフィーリングを大きく左右するファクターを従来の海外生産品にはない次元に昇華しています。 これからギター・ベースをはじめられる方は勿論、経験を積んだプレイヤーにもお奨めさせていただきます。
メイド・イン・インドネシアだと思ってたのですが、フィリピンと書いてありますね。(記憶違いか?変わったのかも?)
今まで持っていた他のメーカーのギター(及びバッカスのその他のシリーズ、多分国産か中国産)では起きた事はなかったので、もしかしたら、フィリピンはあまり乾燥してない地域なのかも知れませんね。。。
今はなきフェンダージャパンのは、同じ環境においてあってもフレットバリなど出ませんからね。。。
さて、どうしようか・・・ネックが削れるのは覚悟の上でヤスリがけするか・・・我慢して、気にしない気ニシナイでそのまま放置するか。。。
削ったら木部が削れた分は再塗装が必要になるだろうしなぁ・・・
ギブソンレスポーツの、フレットの端のバインディングが出っ張ってるのは、こういう問題は出ないから良いですね。
※フレット交換の時にこのバインディング部分の出っ張りを削ってフラットにしてしまう人が多いそうですが、フレットバリが気になる人は削らないほうが良いかも知れませんね。フレット打ち替えでは余計な手間がかかるので削ってしまいたいのかも知れませんが。
こうして色々考えると、やはりギブソンのような手の込んだ構造は、ちゃんと理由があって完成されているものなんだなぁと思いますね。指板の角が削れてしまう事もないですし、仮にフラットに削ってしまって後に問題が出ても、最悪の場合バインディングだけ交換するということもできますからね。
一本の木に直接フレットが打ち込まれているフェンダーのメイプルワンピースネックだと、ネック交換になってしまいますからね、やはり、工業製品的な発想なんでしょうねぇ、フェンダーは(^^;)
(※その分安く量産できて、ポンポン交換してしまえば良いわけですから、どっちが良いとはいえないですが。)
コメント