たまたま、プロとアマの差とはなにか?という話を知人としていたところ、同じような話題があちこちで出ているようだった。 プロとアマの違いは、いろいろ有ると思う。 ひとつ、明確に言えることは、プロとアマの違いは 「お金を貰っているかどうか?」 なのは間違いない。
人様からお金を取るという事を考えた時に、当然、それに見合った高品質や保証が要求される事になる。 それがプロの技量の高さとなって現れる。 反面、生業として維持していくことができなければプロとは言えない。それ故、様々なコストカットを強いられている面もある。 つまり、プロとアマの違いは、単純な技量のレベルの高さだけでは比較できない。 上手いのがプロ、下手なのがアマチュアというわけではない。 時に、アマがプロを凌駕する事は多々ある。 例えば、プロは赤字になっては生活が成り立たなくなってしまうので、予算と時間の制約を受ける。 しかし、アマチュアは、採算度外視で、際限なく予算と時間を費やすことができる。 そうなると、少ない予算と時間の中で作られるプロの作品より、湯水のように金と時間を使って作ったアマチュアの作品のほうがはるかにレベルが高くなるのは当たり前の事だろう。(もちろん、プロに匹敵するような技術を持ったアマチュア、という条件にはなるが。下手くそなアマチュアがいくら時間と金をかけても高品質な作品はできない。)
スポーツ、特に格闘技の場合も顕著である。 格闘技のプロの選手は、アマチュアの選手と戦うのを非常に嫌がる。 何故かと言うと、アマチュアは本当に、命懸けで挑戦してくることがあるからである。 この試合だけで終わる訳にはいかない、妻子を養うため、明日も明後日も戦い続けなければならない、怪我をすることも許されないプロ。しかも、プロとして行うからには、ショーとして面白い試合を見せなければならないという条件までついてくる。 対して、その試合にすべてを賭け、その試合で人生が終わっても構わない、そんな覚悟で挑戦してくるアマチュア。 プロも、本気で殺し合いとなったらアマチュアに負けることはないかも知れないが、リスクが大きい。戦争ではないのだから、そんなこと毎回毎回やっていたらプロの仕事としてはなりたたなくなってしまうだろう。 これも上記の説明同様、コストが見合わない事例となってしまうのだ。 アマチュアはその試合後、負傷して一生不自由な身体となっても本望かもしれないが、プロはそうは行かないのだから。。。
漫画家などの創作系でも同じ。プロの漫画家は、締切に追われている。次の雑誌の発売日に間に合うように、原稿を仕上げなければいけない。時間が一週間しかないのに、3週間もかけてマンガを書いている人では、プロにはなれない。 締切に間に合わせるために、品質を犠牲にする場合もプロにはある。 もちろん、金を取れないレベルまで落としてしまっては論外ではあるが。 本当はもっと丁寧な仕事が時間さえあればできるというケースでも、時間に間に合わせるための簡易的な手法を選択するしかない場合もある。(そういう裏技・反則技も持っているのがプロでもあるわけだと思う。) 技量も、常に予算と時間との兼ね合いで調整される。時に、割り切ってそれができるのがプロなのだろう。
プロというのは、仕事として、生活が成り立つように、商売の才能が必要な側面も多々あるのだ。 客を集め、収入と支出を計算し、黒字を出し続ける。 技量はそれほど高くなくても、商売の才能があれば、仕事として成り立っていくケースもありうるだろう。 逆に言えば、プロも舌を巻くほどの技量を持っていても、商売の才能がないために、プロにはなれないと言う人間もいるだろう。 プロというのは、単にそのものの技術だけでは成り立たない。 常にコストを考えているのがプロだと言えるのかも知れない。
プロとアマの違いと言うと、どうしても、短絡的に、技量の良し悪しを語ってしまうが、そうではないのだと思う。 例えば、飲食店で食事をするという場合と、友人の家に招かれて食事をご馳走になるという場合。 採算度外視で値段の高い食材を使った料理を出すアマチュアと、実は赤字にならないように、それほど高品質な材料を実は使えないプロと言う事を考えると、店で食べるプロが作った料理が、必ずしも高品質であるとは限らないわけだ。 逆に言えば、品質の低いものを客に出せるように仕事をする、その技量が、プロの技だと言えるのかも知れない。 プロかアマか、その違いは、技量の違いではなく、仕事として継続している人か、単なる趣味の人なのか、という違いに過ぎないのだろうと思う。 「プロの厳しさ」というのは、実は、常にコストとの戦いをしているという厳しさなのだと思う。。。
よく「本当に好きなことは仕事にしないほうが良い」と言われるが、コストのための妥協をせざるを得なくなるから、という事なのだろう。(それ以外にも理由はあるだろうが) 逆に言えば、質にこだわりたいからこそ、アマチュアで居続けるという選択もあるのだろう、実際、そういう人も多いのだと思う。
売り物を作ろうとすると、70点ぐらいまでならばそこそこの凡人を集め、相応の時間と金を準備すれば高確率で勝てるのですが、80点以上になるとコストが急激に上がります。これを捨てる方針を、欲深な経営と意識だけ高い現場に認めさせるのが本当に大変。しくじると魔女狩りにあって吊るされて火あぶり。
— もつまつ (@fursultiamine) December 16, 2019
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