『クワイエットプレイス』とい映画が公開されています。 コンセプトにSFっぽい雰囲気があったので目に止まったのですが、やはり、コンセプト的にはスリル/ホラー映画といったほうが良いでしょうかね。 これ、私の嫌いなタイプの作品かも。昔は、ハッピーエンドにならないストーリーは大嫌いでしたが、今はそれほどでもないのですよね。それより、今、一番気に入らないのは、設定がちゃんとしていない話。 SFと見せかけて、実はただのホラー・パニック映画でしかない「エイリアン」とまったく同じタイプ。 SFとホラーの境界線はどこなのか?というと、結局、フォーカスがどこにあるのか?ということでしょう。 科学的な視点がちゃんとあるのがSF、アクションやスリルにフォーカスしてしまって、科学的な視点や設定がいい加減になってしまうのがホラー。 エイリアンは、エイリアンとは何なのか?という科学的な視点がなく、エイリアンという化け物が居る、居るものは居るのだからしょうがない。どこから来たとか、どんな生物なのかとか考えてるより、とにかくその化物とと戦い、生き延びる事が重要、という作品。 なので、エイリアンはSFの世界を舞台にした、ただのホラー/アクションムービーですね。 最新の作品では、エイリアンを作り出した(地球の生命を作り出した?)謎の宇宙人の存在っぽいものが登場してきますが、それも結局雰囲気だけ(笑) SFとは、先に科学的な設定(仮定)がしっかりとあって、そこにストーリーが構築されるべきだと思うのですが、そこは何も考えておらず、後付て辻褄を合わせるように設定を継ぎ足しているかのように見えます。要するに、その科学的な設定・土台の部分はあまり重要と思ってないということなんですよね。 アクションやスリルが描きたいだけなら、別に舞台が宇宙である必要はないわけで。地球上で、未知の生物に襲われても、同じような作品になるわけです。 ※以下、『クワイエットプレイス』のネタバレに続く※ので注意
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そう、地球上で、未知の生物に襲われるサバイバル・パニック・アクション作品、それが『クワイエットプレイス』ですね。 ジョーズなど、凶暴な生物に襲われるパニックムービーと同じ、ただ設定がちょっとだけ、非現実的。 "音を立てると襲いかかっている何か" に襲われ、人類はほとんど殺されてしまった。 そんな世界でなんとか音を立てずに生き延びている家族の話。 ドタバタ劇を経て、何人も殺され、最終的に弱点を見つけて撃退したところでエンドを迎えてしまいます。 ただ、ボーッと見てると、その怪物がどこから来たのかを見逃してしまいます。 映画のプロットは、どうやら
- 音を立ててはいけないというシチュエーション
- 親が必死で子供たちを守る
というところにあったようですね。 そして、 音をたてると殺される と言う事が、 「何か失敗すると社会から排除される」 という、現代の SNS 社会を揶揄しているのかもしれません。 それは良いのですが・・・ しかし、肝心の、何故殺される?何に殺されるのか?については、「そこはどうでもいいんだよ」とでもいうような曖昧な描き方で終わってしまうタイプの作品。SF好きな私にはどうも好きではないのですよね。 まぁ、結論から言うと、冒頭部に新聞の記事が登場します、そこにはメキシコに隕石が落ちてきたという記事が。 それ以外の詳しい説明はないのですが、つまり、隕石と一緒に宇宙から飛来した新しい生物、と言う事のようですね。 極めて獰猛で、音にとにかく敏感。しかしどうやら嗅覚や視覚は持っていないのか、まったく反応しない。(視覚がないのに周囲が見えるのは、エコーロケーションなのか?) 人類を滅亡に追いやったというので、物理攻撃が効かないとか、姿が見えないというタイプなのかと思いきやそうではなく、ショットガンで殺すことが可能。(非常に動きが素早いので単発の銃で当てるのは難しそう。) 僅かでも音をたてるとすぐにやってくるのがやっかいですが、それだけ情報が揃ってたら人類が倒せない事はないでしょうに。 音を発生させて1ヶ所に集めて、ショットガンや爆弾でどんどん殺してしまえば、簡単に絶滅させられそうです。 何年もかかって、手話を身につけてまで生き延びる時間があったら、それくらい思いつきそうなものですが・・・(^^;) そこまで描いてくれたら、ちょっとはSFっぽい話になりますが、それでも、「危険な生物がもし宇宙からやってきたら?」というだけでは、SFとしては設定がしょぼすぎるわけで。 その危険な生物が、どのようにして誕生し、どうしてそのような特性を持つに至ったか、みたいな部分の謎解きが欲しいわけです。 ただの、怖い何かが居て、それがなんだか分からないけど、戦って/逃げ回って生き延びました、という話では、ただのホラー/アクションムービーですね、やっぱり。。。
しかし、SFとホラーって、なんでセットにされることが多いですよね。。。 アクションがセットになりやすいのは分かりますが。 やはり、安易に自由な設定がしやすいと言うことで、選ばれるのでしょうね。。。 幽霊や妖怪、魔法とかを出すと子供っぽくなりがちなので、ちょっとだけリアルに、そして自由な設定を作りやすいということなんでしょうが、安易に逃げてる感が見えると、底が浅く見えてしまうんですよね。。。
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