霊魂学(霊学)とは
物質の肉体を解剖して構造を調べたのが解剖学であるなら、霊的な身体の解剖学が霊魂学であると言えばイメージしやすいでしょうか。
もとは古神道で使われていた用語であり、霊的身体の解剖学に限らず、霊の世界の構成や現象、人と神との関係等、幅広い分野に渡る霊的な構造学、霊的自然科学のようなものだと思います。
科学的視点に近いアプローチをとってはいますが、科学的に証明する手段があるわけではないので、宗教、または日本人の霊魂観として位置づけられる事が多いようです。
「古神道」は「古代神道」とも呼ばれ、現代の神社神道の作法・様式は、この古神道から受け継がれています。
※そのような性質のため、「神道」では道徳的な教義、生き方についての教え等はあまり語られることはないわけです。
近代では本田親徳(ほんだちかあつ)、川面凡児(かわつらぼんじ)などが有名です。
特に川面凡児は日本における霊魂学の始祖と言われ研究者も多く、現代の神社神道の作法はほとんどがこの川面の霊魂学が基になっているようです。
[Wikipedia] 川面凡児 文久2年(1862年)~昭和4年(1929年)
[Wikipedia] 本田親徳 文政5年(1822年)~ 明治22年(1889年)
明治元年が1868年なので、本田親徳は江戸時代末期~明治初期、川面凡事は明治初期~昭和初期までの人物という事になりますね。
この二人については文献も多いので興味がある方は調べてみて頂ければと思いますが・・・
二人とも多くの書を残していますが、古いものなので現代人にはとても難しいです。
実は私も昔、「川面凡児全集」を買ったことがあるのですが(※たしか当時、定価15万円ほどもした)・・・漢文で書かれており、全く読めない・・・(笑)
一部、現代語風に書かれた部分もあるのですが、内容が、
「人間の魂は荒魂(あらみたま)・和魂(にぎみたま)・奇魂(くしみたま)・幸魂(さちみたま)に分かれている」
・・・・読んでみようとしたものの、やはりチンプンカンプンです(笑)
この分かりにくい霊魂学を、現代人に分かりやすく解説している研究者(霊媒)が水波一郎氏であり、氏の解説する霊魂学は「水波霊魂学」といわれています。
古神道には、「禊」「鎮魂法」などの霊的技法が存在していましたが、現代の神社神道では名前が残っているのみで幻の技法となってしまいました。
水波氏は霊魂学の解説と同時に、「禊」「鎮魂」などの各種霊的技法も現代人向けに指導されています。
このブログの中の霊的な事柄に関する記述は、主にこの「水波霊魂学」の内容を参考にして書かれています。
※ただし、私個人の理解できた範囲の中で、一般の人に分かりやすく書くことを主眼としています。そのため、水波霊魂学とは厳密には異なる内容・表現となっている部分があるかも知れませんのでご了承願います。
先述の "アラミタマ・ニギミタマ~" を現代風に分かりやすく言うと、
「人間には、物質の"肉体"と、それに重なる霊的な身体である"幽体"を持っている。そしてさらに、幽体とは異なる"霊体"という霊的身体も持っている。」
という事になるわけです。
ニギミタマという名称は、最近の漫画やゲームなどにも時々登場するようなので、聞いたことがある人もいるかも知れません。
こうしてみると案外、というはやはり? 日本の文化は古神道に根差している部分は多いのだろうと思います。
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