8弦ギターをしばらく弾き込んでみての感想
角度のついたファンドフレットもですが、左手は、思った以上に違和感なし(右利きです)
特に構えている(弾いている)状態の目線から指板を見ると、、普通のギターと大差ないように見えますね。
強いて言えば、高音弦のローポジション・ハイポジションで若干の違和感?
低音弦は全域に渡って特に違和感なし。
増えた7弦・8弦まで前からあるように使える。
(8弦はさすがに少し遠い、指が届きにくいと感じますが)
8弦をはずして7弦にしてみたらまったく違和感なしだった。
考えてみたら、古いタイプの"フチ"のついたブリッジのついているテレキャスタータイプがメインなので、フチの位置がちょうど7弦がある感じと同じかも。
しかし、8弦になるとやはり8弦がちょっと邪魔な感じ。(手首の骨の出っ張りが当たる)
前にも書きましたが、8弦で大変だったのは、左手より、右手だった・・・(!)
右手の掌の小指側(手刀で使う部分)を弦に当ててミュートしようとした時、右手の掌の下、手首との接合部にある小指側の出っ張った部分(調べてみたら豆状骨というらしい)がジャマになって、6弦ギターを弾いている感じと同じようには全部の弦を押さえきれない感じに・・・
無理に全部押さえようとすると、掌を完全に8弦全部に押し付けてしまうと、手の動きが制限されて、6弦の時のようにはミュートしながらピッキングという作業ができなくなってしまうのです。。。
8~3弦をミュートしながら1~2弦を弾こうとした時に、豆状骨に引っかかってしまうので、その豆状骨を8弦の上に乗せるくらいでちょうといい位置に。。。しかしそれだと、手の位置が1段高くなってしまって、手刀部分でのミュートに違和感が・・・
まぁこれは慣れかも知れませんが。(二弦のミュートは諦めた、というか、左手てミュートするようにしてカバー)
ただ、試しに8弦を細めの弦に変えたら違和感は少なくなりました。
弾いていて面白いなぁと思ったのは、8弦を使っていると、1弦~6弦まで使いたくなる。
6弦のギターだと、バッキングは別ですが、ソロフレーズなどでは多用するのは1弦~4弦までで、スイープ・アルペジオでも使っても5弦までが多くなりがちだったのですが。(下手なので楽に弾きたいだけですが)
それが、8弦を弾いていると、7弦8弦は意図的に使おうしないかぎりはあまり使わなくて、しかし気がつけばこれまで使ってなかった1~6弦までのフレーズを自然に使うようになっているという・・・(^^;)
8弦を弾いていて、6弦を弾いてみると、なんか細くて弾きやすい!
6弦が前より上手く弾けるように?!
6弦の練習用に8弦持っててもいいかなぁ(笑)
ただ、音域的に、8弦は必要なかったかなぁ・・・?という感じは、正直、ありますね。。。
7弦が多くて8弦がレアなのはちゃんと理由があるんですね。
しかし、使ってみて初めて分かるというか、実際に使ってみると色々な事が分かりますね。
例えばスケール。意外と初めて買う人は知らない人が多いんじゃないかと思いますが(私もそうでした)7弦や8弦ギターって、スケールが通常より長くなっているものが多いのですよね。
普通のギターはいわゆるロングスケールが多いわけですが。フェンダーのギターに採用されているスケールですが、これはナットからブリッジまでの長さが648mm、インチでいうと、25.5inchですね。
スケールというのは、長いほどテンションがキツく、短いと緩くなります。ギブソンのギターはミディアムスケール(約628mm)なので、同じチューニングをするとフェンダーのギターより少し弦の張力が柔らかくなります。
しかし、7弦・8弦まで低い音を使おうとすると、ロングスケールでも、弦のテンションが緩く、ダルダルになってしまうのですね。
7弦まではいわゆるレギュラー(ロング)スケール=25.5インチでもかろうじていけるようですが、8弦で25.5インチというのは存在していないようですね。
しかし、今度は長いスケールになると、高音弦側のテンションがキツくなってしまうらしい・・・
検索してみると、28インチ以上のギターで1弦のチョーキングはほぼ無理、という感じ?27インチでも無理と書いている人も。(チョーキング捨てればいんだけど。。。)
そう考えると、1弦側は短いスケールで、低音弦側に行くほど長くなっているマルチスケールギターというのは理にかなっているのですね。(物理構造的に、ということですが。)
結局、すべての音域を出せる楽器というのはなかなか難しいということなんですね。
バイオリン属を考えてみれば分かりますね、バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスと、音域によってサイズが別れていますね。
低音域を出すには、より長い(大きい)スケールが必要になるわけですが、そうすると今度は高音域がでなくなる。
高音域をとれば低音域が犠牲になる、と。
全ての音域を実現するためには、ピアノのようにバカでかいサイズの楽器になるか、弦楽器・管楽器のように、音域ごとに、ソプラノ、テナー、バスと分かれていくか・・・と。
そう考えると、現行のギターの6弦というのは、音域的に、いかに完成されたスタイルであったかと。。。
弾いてみると、7~8弦を使った低音域を使ったフレーズはとても面白いのですが・・・
ふと気がつくのは、やっぱり6弦を使うフレーズも多いということ。では、同じようなフレーズを普通の6弦ギターの6弦使えばできなくはないのでは?
と思って、6弦ギターに持ち替えて弾いてみたら・・・
なんか違う・・・
一つにはスケールの違い、もう一つには、PUの特性の違いがあるのかも知れません。
8弦ギターの長いスケールの低音弦で、PUもそれ専用に開発されたものと、通常のギターの6弦とは音が全然違う感じなんですねぇ・・・
あと、音量の違いも(これはどうにもならないのでしょうが)
7~8弦の低音弦の音量と、1~2弦の高音弦の音量の差が大きくて。
エネルギー的にも、太く長い弦のパワーと、短く細い弦の、物理的な音量差はあって当然ですね。
まぁこれは、気にしなければいいだけかも(笑)
右手のミュートのしづらさ、フレーズ(音域)的に8弦の使用頻度は低い、と言う事を考えると、やはり7弦まででよいのかな、という事は感じます。
逆に、7弦までは6弦とそれほど違和感なく使えるかも?
「7弦まではもはや普通のギターだ」という人もいるようですが、今後はギターは7弦が普通、という時代が来るかも知れませんね。
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