冒険者ギルドと対立して商業ギルドを応援する話を書いたら、冒険者ギルドが本当に潰れる結末以外、道理が通らなくなってしまって困っています(笑) 検索してみると、「冒険者ギルド」なる存在はおかしい、不要であるという主張を書いている人がいらっしゃるようで。 ちょうどタイムリーな話題だったので読んでみたのですが。一理あると思える部分もありましたが、しかし、何か違うと思う部分もありました。 例えば、冒険者を傭兵とたとえている部分があるのですが、少なくとも、現実の地球に傭兵という職業は存在しています。その存在がおかしい、不要だといくら言ったとしても、事実存在しているわけで。そして存在している理由もそれほど難しい話でもない。 公的に雇われた兵士が居るのだから「傭兵」なんて要らないはずだ。 あるいは、警察がちゃんとあるのだから探偵は要らないはずだ。 警察がいるのだから警備会社など要らないはずだ。 理想論としてはそうなんですが、現実にもそのような職業は存在し、成立しているわけですから。 ただ、数は多くないのは確かですよね。 でも異世界ファンタジーものでは、「魔物が溢れ人類は常に戦う必要がある」という世界観にすることで、その職業の存在を強調しているわけです。 例えば、設定によっては、探偵が異様に多い人気職種とする世界にする事だってできるはず。 もうちょっと違う事例を上げると、ウルトラマンですね。 ウルトラマンという存在はともかくとして(笑) 怪獣が存在する世界観の中で、それと戦う地球防衛軍みたいな組織が必ずあるわけです。それは当然、公的な機関であるわけですが。 その「地球防衛軍」を、民間が運営しているみたいな状態が、冒険者ギルドなわけですよね。 ファンタジー小説における「冒険者」というのは、傭兵という側面を持っているが、それと同時にトレジャーハンターの意味合いも強く持っていると思います。 要するに、インディー・ジョーンズですね。 遺跡を探してお宝をゲットして大金持ちになるんだ!という人。 ただ、現実にはそんな人はほとんどいないのは、お宝がそんなに存在していないからなわけです。 ただ、そこは異世界ファンタジーならば。お宝が無限に沸いてくる世界という設定にしてしまえば、トレジャーハンターが一番の人気職業になる世界だって十分にありえるわけです。 それこそが、まさに、異世界ファンタジー者における冒険者という存在なわけですよね。 ただ、不要論の中で、一部、そのとおりだなぁと思った部分があったのです。それは、商業ギルドと冒険者ギルドが戦ったら、冒険者ギルドが潰れる未来しかない、という部分。 自分が書いてみた新しい物語の中でも、同じ状態に陥ってしまっているわけで。 これは困りました(笑) 当初は、面白がって、冒険者ギルドと対立して商業ギルドに肩入れするストーリーを進めていったのですが、本気で冒険者ギルドを潰す気はなかったんですよね。 それが、話の流れ的に、瀕死の冒険者ギルドが盛り返せる状況を作り出せなくなってしまいまして・・・orz 常にモンスターが溢れており、それと戦うことが人類が生き残るための至上命題となっている世界で。 その中で、傭兵であり、トレジャーハンターでもある冒険者という存在。 その傭兵/トレジャーハンターを支援するギルドという組織。 これが明確に存在する大義名分が必要なのですが・・・ 現代にも確かに、傭兵は存在しています。(トレジャーハンターは存在しない、居たとしてもおそろしくレアな存在だろうと思いますが。) しかし、傭兵は存在しているけれど、傭兵が絶対に必要な存在であるかと言われると、必ずしもそうとは言えないわけです。傭兵が社会に絶対必要な存在となるような大義名分は、現代社会でも存在していないような気がします。。。 傭兵になりたいと言う人は出てくるでしょうが、社会のシステムとして傭兵という制度が必要だと言うことにはならないわけで。 現実に傭兵が存在している以上、需要と供給はあるわけですが、「傭兵業」を行う「商人」が現れた場合、傭兵達の互助組織が必要かと言われると、絶対必要というわけではなくなってしまうわけですよね。。。 冒険者ギルドが、いざという時に国や人々を守る戦力となる。それを誇りに思い、損得抜きで戦ってくれる冒険者が要る。などと理屈をつけてはみたものの・・・ こうして考察してみると、それはやっぱりおかしいですよね。 それよりも、 冒険者になりたい人間が要るのだから、その支援組織は必要 そして 商人に雇われたくない冒険者が存在している事 それが冒険者ギルドが必要である唯一の理由という事になりそうな気がしますが。 しかし、それも少しおかしい。 商人に雇われたくない冒険者というのは、何故商人に雇われたくないのでしょう? 護衛の任務などしたくない、誰かに雇われているという不自由な立場そのものが嫌、というのはありうる。 ただ、護衛任務が嫌だから、受けない。ダンジョンにトレジャーハントに行ったり、討伐依頼を受ける、という冒険者は居るだろうが、お宝(素材)を採ってきたら、それを売るのは冒険者ギルドでなくても良いはず。 商業ギルドのほうが高く買い取ってくれるというのならなおさら。冒険者ギルドに素材を売る理由は?ランクアップのための評価に繋がるから、という理由ならば、では、ランクアップを目指すメリットは何か?と言う事になってしまいますね。 単純に、ランクがあれば上を目指すのが本能と言えばそうかも知れませんが(笑) ならば、商業ギルドでもランク制度を始めれば、それで問題なくなってしまう。 では、素材の買取は商業ギルドにするのがデフォとしてしまえば問題なくなりますが、では、冒険者ギルドが存在する理由は他に何か?という事になります。 ダンジョン等の各種情報の共有 冒険者の教育と協力体制の構築 ギルド同士の横の繋がりによる情報共有と協力体制 独立した組織である事による権力者の横やりの防止 ・・・全て、商業ギルドが代行すれば冒険者ギルドでなければならない理由はなくなりますね。。。 他にありえるとしたら、絶対に商業ギルドでは受けない依頼を冒険者ギルドで受ける可能性があるケース。 商売でない雑用的な依頼? そんなの、冒険者ギルドが絶対必要というほどの理由にはなりませんよね。。。
逆に、冒険者が冒険者ギルドに登録するメリットは何か?という観点から考えてみたらどうでしょうか? よくある設定としては (1)誰でも登録でき、登録すると身分証明書を発行してもらえ、どこの街/国にも自由に出入りできるようになる。 (2)冒険者ギルドに登録した者は税金を免除される。 (3)そもそも、冒険者ギルドに登録していないものはダンジョンに入れない法律がある。(冒険者ギルドに登録していない者は冒険者をやってはいけない法律がある。) (4)ダンジョンやモンスターなどの各種情報を教えてもらえる。 (5)モンスターの素材を買い取ってもらえる。 (6)冒険者としての教育・訓練をしてもらえる (7)仕事を斡旋してもらえる (8)報酬を担保してもらえる (9)冒険者同士の交流と協力を支援してもらえる といった感じでしょうか。 この中で、商業ギルドが肩代わりできない機能があるかというと、ないわけで。 そもそも、商業ギルドが冒険者ギルドの機能を完全に肩代わりしようと本気で思ったなら、できないわけがないわけですよね。。。
では、もう一つ別の視点から 冒険者ギルドの存在は一旦忘れて。 商業ギルドが冒険者ギルドの機能を有している前提で。 商業ギルドが二つ、別々の組織として存在していた場合を考えてみると・・・ どちらに所属するかは冒険者次第ということになりますが。その場合は、それぞれがメリットを打ち出し、自由競争をすることになりますね。 冒険者ギルドは、商業ギルドに対して、独占的な権利を主張できなくなったなら、単なる同業の商売敵として、自由競争を強いられる事になるしかない、と言う事ですよね。 結局、商業ギルドが冒険者ギルド潰しに乗り出してきたとしたら、冒険者ギルドは非常に苦しい立場で競争を強いられる事になる結論は変わらないようです。。。
コメント
商業ギルドが邪悪である場合。
システマチックが過ぎて非人道的ですらある場合。
(銀行の貸し剥がしとか、町工場社長自殺的な)
冒険者の大部分、またはある程度が犯罪者である場合。
(不法移民とか軽犯罪者とか思想犯とか)
商業ギルド上層部(または内部)にろくでなしが多い場合。
まあ、そりゃ、まともに商売出来ない相手なら冒険者も冒険者ギルドも不要でしょうね。
潰したくないなら吸収合併して支店や作業所にすればよろしい。
時代劇の岡っ引き?が元犯罪者だったり乱暴者を火消しに預けたり、塀の中で作業させたりは別の組織でやればよいです。
カクヨムへのリンクがないようですね。
それを探しに来たのですが。