先日の事なのですが、長い間見当たらなかった「聖☆おにいさん※」のコミックス第6巻が、ふとした拍子に出てきました。完全に紛失したかと思い、新たに購入し直そうかと思っていたところでしたが(笑)
※セイントおにいさんと読みます。長期休暇中の"ブッダ"と"イエス"が、天界から降りてきて立川のアパートでバカンスを過ごしているという設定のコメディ作品です。
宗教に寛容な日本でしか成立しない作品ではありますが・・・私的にはやはり、この漫画の世界観は大変面白く思いますね。先月出た新刊でも、
『七福神のほうから菓子折り持って挨拶に来る』ですよ(!)
思わず笑い転げてしまいましたが、どうも、分からない人には、何が面白いのか全然理解できないらしいです・・・(*。*)
せっかくなので、『聖☆おにいさん』について、真面目に考察してみたいと思います。
この作品、世界三大宗教のうちのふたつの創始者を登場させているわけです。宗教観の薄い日本人はただのギャグ漫画としか感じないかも知れません。が、敬虔な宗教家の方々からは、当然、宗教的に「不謹慎ではないのか?」という議論は、出てくるようです。(じつは私も他の人間に指摘されるまで、考えてませんでした。)
それらも含めて、この作品をめぐる評価と議論、文化背景を探ってみると、非常に面白い、興味深いものがあると思いました。
☆ひとつ誤解のないように言っておきたいのですが、この作品、決してブッダとイエスを貶めている内容ではありません。むしろ、敬意と愛情を持って魅力的に描かれていると私は思います。
宗教的聖者を親近感のある姿で描くことは不敬である とか、そもそも漫画の題材として取り上げる事自体が不敬であると言われると、あとはひたすら平行線ですが──
もしそうなると例えば、手塚治虫の「ブッダ」という漫画がありますが、これも大変不謹慎なものと言う事になりますね。
「そうだよ」と言われると、取り付く島もなく終わってしまいますが。
※手塚治虫のブッダはギャグマンガではないと言われるかも知れませんが、手塚治虫は大変ユーモアのある方でしたから、作中も随所にユーモア/ギャグが散りばめられていますので、私は大差ないと思います。
(そういえば「聖☆おにいさん」は2009年には手塚治虫文化賞短編賞を受賞しているそうですね。)
マンガを信じる人は居ない みんな区別はついている、という心理的事実もあるのですが。
この作品に関しては、これをきっかけとして多くの人がまじめに議論 しているのが興味深いと思いました。
ここに紹介しきれない様々な意見、評論もまだまだありますので、興味がある方は検索してみて下さい。
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