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水彩絵の具は二種類 絵の具の違いを知らない人は意外と多い?

エンターテイメント・アート
私が小学校の頃は、絵画の授業の教え方が全然確立されていなかった時代だったのではないかとさえ思うのですが・・・

とにかく、「美術の先生」の才覚に任されているようなところがあって。「技術」より「センス」一辺倒のような。

多分、その先生達が、きちんとした合理的な技術体系を教わってこなかったのではないかと思いますので、仕方がないのかなと思っていますが。

現代の美術教育がどのようになっているかは知りませんが。

しかし、現代でも、芸術・スポーツの世界では特に、日本はとかく「才能」主義が根強く残っているような気がします。

教えなくても上手にできる子を「才能がある」と言い、もてはやす。

実はちゃんと技術を教え、きちんと練習手順を踏めば誰でもできるような事でも、教える側がそれを知らないだけという。

振り返って思い出すのは、例えば、水彩画の絵の具

実は水彩画用の絵の具は大きく分けて二種類あります。

「透明水彩」と「不透明水彩」

そんな事知ってる、と言う人は多いですが、本当にちゃんと知ってます?

小学校の教材に使われるのはどちらですか?

小学校の教材に使われるのは

⇒「不透明水彩」ですね。

私の時代はそうでした。現代は違う・・・ということは多分無いんじゃないかと想像していますが(透明水彩の特性から考えて)。

そして、まず間違いがここから始まりました。

不透明水彩絵の具を使って、透明水彩のような絵を描かせようとするのです。

不透明水彩を薄く水で伸ばして、半透明水彩として使うんですね。

そういう使い方も、きちんと特性を知った上でなら面白いし私は好きですが。

しかしそれは、あくまでも透明水彩と不透明水彩の使い方をキチンと理解してからの話だと思います。

今現在の小学校では、この辺をキチンと教えているのでしょうか・・・?
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不透明水彩の基本的な使い方と言うのは―――

まず下書きを鉛筆でしますね。

その時に、色を塗る領域をきっちり明確に分けて指定しておきます。

そして、それぞれの領域を決めた色で塗りつぶす。それも、完全に下の線(紙)が隠れるくらい、厚塗りします。

そもそも、水でゆるく溶いてしまう使い方が不透明水彩としては間違っています。多少粘土を調整するために水を加えたりしますが、基本、そのまま水に溶かずに塗ると思っても良いくらい。

水彩画というと、徐々に色が変化していくようなグラデーション効果、水墨画みたいな感じの使い方を想像してしまう人が多いため誤解が生じてるのだろうと思いますが、不透明水彩の場合は、塗り絵、アニメ塗りみたいな感じですね。

完全に塗りつぶします。グラデーションは現段階では考えません。

全ての領域を完全に塗りつぶした後、そこからグラデーションをつける作業に入ります。

それは、A・B二箇所、違う色に塗り分けられた領域があったとして。今度はAとBの色の中間の色を用意して、その境界部分にボカスように塗っていくのです。

方法はいくつかあるのですが、例えば「ドライブラシ」を使う方法とか。

筆に絵の具をつけ、それを要らない紙や雑巾につけて水気を飛ばしてから、画面に素早く擦りつける技法ですね。

こんな感じ?(水平タイプ、CADソフトでそれっぽく描いてみました)


こんな感じ?(クロスタイプ、画像編集ソフトでそれっぽく描いてみました)


実際もまぁこんな感じです、まぁ遠目にみればグラデーションぽく見えると思います(笑)

グラデーションをもっと滑らかにするには、何種類か段階的に領域を塗り分けておいて、境界をボカして行くわけです。

次に透明水彩ですが。

まず根本的に違うのは、下の線や色を隠す事ができません

不透明水彩は厚塗りすれば完全に下の色を覆い隠すことができますが、透明水彩はどんなに濃く塗ろうとしても、完全に不透明にはなりません。(下書きの線も見えてしまいます。)



そしてもうひとつ、決定的に違うのは、下の色が乾いた後、溶け出して来ません。

水の量で濃淡を調整できますが、水墨画のように一発勝負ですね。

不透明水彩のように領域内をキッチリ塗ると言う感じではなく、アバウトにはみ出してしまってもあまり気にしない、と言う描き方をする人も多いと思います。

(夏目明美作品集*油絵・水彩画)


(mina aquarelle ベニス運河 from もっと透明水彩を楽しもう)

これなんか、透明水彩の特徴を活かした素晴らしい絵ですね
(笹舟のスケッチ日記)

透明水彩画はアバウトな、ファンタジックな感じですね。
(もちろん中には緻密に描く方もいらっしゃいますが)

ハッキリ言って、不透明水彩と透明水彩は、同じ水彩画と言いながら、まったく異なる道具を使って描く、まったく異なる種類の絵画手法だと思ったほうが良いです。

不透明水彩を水で薄めて透明水彩のように透過させて描く方法ももちろんありますが、不透明水彩の場合は、上から湿った筆で擦ると下の絵の具が溶け出してきて混ざってしまいます。

下の絵を透けさせるというより、下の色と自然に混ざって変化する、それを最初から考慮して描けば、とても面白い絵がかけるので私は好きな手法ですが。

このような違いを、ちゃんと小学校の美術の授業で教えてくれていたら、もっと違った世界が開けていったかなぁとも思うのですが。

(私が先生の話をまったく聞いていなかっただけ、という可能性も、わずかですが、否定できないのですが・・・かなりやんちゃだった子供時代・・・笑)

これからは、絵もコンピュータで描くのが主流、小学校の授業からペイントソフトの使い方を教える時代も来るのかもしれませんが・・・

手で絵の具で描く絵も味があって良いと思います。

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