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小説や映画にすると史実化してしまう

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海賊とよばれた男」という映画がありますが、あれを見て、「知らなかった」「歴史を学んだ」というような感想があるとしたら、危険だなぁと思いました。

百田尚樹氏の小説が原作ですが

そう、あれは

「小説」

ですからね。

ドキュメンタリーでもないし、学術的な歴史書ではないわけです。

小説というのは、面白くない史実でも、面白おかしくエピソードを変造・捏造・追加していくものですから。(それは「捏造」ではなく「演出」と呼ばれる。)

件の作者の方が、史実をキチンと調べて、史実に忠実に書こうと努力していた、のかどうかは知りませんが。

仮にそうであったとしても、やはり小説は小説、エピソードやセリフは作者の想像に過ぎないわけです。

史実をまとめた学術的な歴史書であってすら、実は真実とは違うという事はよくある話。

誰かが書いたものは、その書いた誰かの思想や思い込み、偏見などが必ず含まれてしまうものです。(著者がどんなに中立公正に努めても、どうしても限界があります。)

ましてや創作されたエンターテイメントでは・・・

しかしながら、「小説」とか、ましてや「映画」などで映像化されると、非常に強い印象が残ります。

それが、「映画」である、「そこに描かれているのは真実ではない」と、それを見ている時は、なんとなく理解しているものですが。

しかし強烈な印象は、いつのまにか(なんとなくにせよ)それが事実であったかのような印象となって残っていくのですよね。

分かりやすい事例では、「宮本武蔵」について、日本人にはかなり共通のイメージがあるように思います。それは実は、吉川英治が書いた小説の印象が広まった結果であろうと思います。

宮本武蔵の、事実として語られるエピソードは、実は吉川英治の「捏造」いや「演出」であった部分も多かったという話もあるとか?

そもそも宮本武蔵と戦った佐々木小次郎なる人物が存在していたかどうかも、歴史研究者の中では怪しいと言われているとか(生まれた年代、年齢が合わない)
ましてや、僅かな目撃者しかいない無人島での対決、どのような戦いが繰り広げられたかなど、真実は分かるはずもなく。。。

後世の噂好きの人々が尾ひれをつけてドラマチックに語られていったというのは、想像に難くないですね。

その他の有名な人物についても、その人物について一般的に言われている「伝説」などは、実際にその人物について学術的に研究している人から見ると、「本当は違うんだけどなぁ」ということは多いとよく聞きます。

そうやって、ドラマチックに騙る(いや演出する・笑)人々によって、歴史はどんどん改ざんされていくのですよね。

小説や、特に映画などともなると、その印象は非常に強く、無意識レベルで事実として刷り込まれていくような気がします。

韓国で、慰安婦問題や徴用工問題をテーマにした映画などが作られているそうですが、それらは、日本の研究者の立場からは、史実に基づかない、根拠・証拠のないまったくの想像・捏造で作られた作品であるとの主張があるわけです。

しかし、それを初めて見た韓国の若者は、それが事実であると、無意識レベルで、日本は悪であったという印象が刷り込まれていくわけです。

これは、日本でも、小説や映画やを見て、「そんな歴史があったとは知らなかった」と素直に受けれてしまう人が多いことを考えれば、深く考えずに信じてしまう人がいるのは現実だろうと思います。

このようなまとめが話題になっていました。
人気漫画を検証ゴールデンカムイの嘘を暴く - NAVER まとめ
人気漫画を検証ゴールデンカムイの嘘を暴くのまとめ…
matome.naver.jp
「漫画なんだから、内容は本当の事ではないのは当然では?(笑)」
「え、今の若い子は漫画に書いてあることを信じてしまうの?」

という意見もありますが。

見てみると、これは確かに誤解を招くかも?

ドキュメンタリー風にリアルに描かれると、物語の中の単なる「設定」が、史実として印象付けられてしまう可能性は高いですね。

アイヌの歴史についての誤解が、若い子の間に「印象」として浸透していく可能性があるとしたら怖い話ですね。。。

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