(2)抵抗直結型アッテネーターの自作 過去に大変評判の良かったアッテネーターで、Dr.Zというメーカーの「AIR BRAKE」という製品があったそうです。その実物の内部写真や配線図が検索するとたくさん出てきます。 原理的にはこんな感じの配線のようですが・・・ んん?・・・これは・・・!?
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どうやら減衰器として一般的なL型・T型・Π型などの回路ではなく、単純に抵抗をスピーカーの前に直列に挟み込んだだけなんですね・・・・?! もっとシンプルに書くとこう スピーカーの前に入れた抵抗で音量を減衰させるという作戦ですね。 しかし、単純にアンプとスピーカーの間に抵抗を挟み込んだだけだと、アンプから見た負荷が不適切でアンプが壊れてしまう可能性があります。(真空管アンプの場合) 通常、スピーカーの抵抗値は8Ωとか16Ωなどですが、それが175Ωとなると大きすぎますね。 そこで、並列に25Ωの抵抗を入れてアンプの要求する16Ωの負荷から極端にはずれないようにしているのですね。 (並列接続の場合の抵抗値の計算の仕方はこちら) さらに150Ωの可変抵抗の前に25Ωの抵抗が入っているのは、150Ωの可変抵抗だけだと0~150Ωなのを、25~175Ωにするためですね(抵抗が0になってしまうのを防ぐ防ぐため。)
◇可変抵抗全開(=0Ω)の場合 スピーカーとの抵抗合計が16+25=41Ω、平行に入れた25Ωとの合成抵抗値は、1÷((1÷25)+(1÷41))≒15.5Ω ◇可変抵抗全閉(=150Ω)の場合 スピーカーとの抵抗合計が16+25+150=191Ω、平行に入れた25Ωとの合成抵抗値は、1÷((1÷25)+(1÷191))≒22.1Ω アンプから見たスピーカーを含めたインピーダンスが15.5~22.1Ωに収まっています。 なるほど、これで良いのですね!
という事で、このタイプの配線のアッテネーターも作ってみました。 手持ちの材料で800Ωの抵抗と16Ωの抵抗が余っていたので、800Ωを直列、並列に16オーム繋いだだけ。(可変抵抗はなし、減衰量は固定値) 計算上は約0.02倍(-33dB)の減衰量になりますね。[16÷816≒0.02] 単純な並列回路なのでアンプから見たインピーダンスは約15.7Ωということで許容範囲ですね。[1/((1/16)+(1/816))=15.692] 使ってみたら、ちゃんと使えました。(当たり前ですが) でも、音ちっちゃ! 当たり前ですね、約-33dBですからね(笑) (DR-Zは最大でも-17dB) 深夜にはちょうど良いかも。
L型と↑の直結型(仮にZ型とします・笑)の二種類、構造の違いはこれだけなんですよね。 L型Z型 聴き比べてみたところ、明確に違いは感じられないのですが、かすかに、L型のほうが素直なクリーンな音がするような気がしました。(気のせいかもと言うレベルですが、L型のほうがノイズも少なかったような気も・・・) 構造的には、L型は信号が16Ωなどの小さい抵抗を通過するだけですが、直結型は800Ωなどの大きな抵抗を通過した信号になるのが違いですね。(値段的には小さい抵抗も大きい抵抗も大差ないですね。) もしかしたらより大きい抵抗を通過したほうが、その分劣化も大きいのかも?───分かりません、単なる思い込み、イメージだけで、おそらくブラインドテストをしたら自分でも分からないレベルだと思います(^^;) ただ、抵抗値固定型なら良いのですが、レオスタット抵抗などの可変抵抗を入れたい場合は、Z型しかないですね。そう考えると、Z型はよくできてるなぁ、と思います。(私は固定型で十分なのでどちらでも大差ないかなぁ・・・)
コメント
初めまして。アッテネーターの自作を検討していてこちらの記事に辿り着きました。
アンプの出力が16オームで、キャビネットが6オームなので、
アンプとキャビネットの間に10オームの抵抗を直列で接続しようと考えていますが、それだとどのような問題が考えられるのでしょうか?
もし出来ましたらご教示願いたく、宜しくお願い致します。
私は電気に関しては素人なので、いろいろな人に聞いたり調べまくったりしてなんとか自作したので(しかも随分昔の記事で、記憶も曖昧というw)
あまり明確に断言できないのですが、問題は特にないんじゃないでしょうか?
一つ、思い浮かぶのは、抵抗の耐電力性能かなと。アンプの出力を上げると抵抗がかなり熱を持ちますので、ワット数の高い抵抗を使って、放熱にも気を使ったほうがよいのではないでしょうか。
あとは、詳しい人に聞いてみるのも良いかも。私は某知恵袋で質問しました(笑)