近年になって気づいたのだが、私は、電球色の照明より、白い蛍光灯の灯りのほうが好きなようだ。 白い蛍光灯の灯りに照らされた、コンクリートの廊下や階段 白い蛍光灯の畳の部屋 白い蛍光灯の、狭い乱雑な事務所 なにか、ほっとするのだ。 電球色───ランプの灯りのような色合いの照明 炎の色に照らされたようなやや暗めのオシャレな照明の部屋 それもまた素敵な雰囲気だな、とは思う。 思うが、それだけ。それ以上、特に何も感じない。 すごい素敵だ!と感動するほどではないというか。 別に緊張や不安を感じるということもない、落ち着いた雰囲気だとは思うが 白い蛍光灯の畳の部屋のような、ほっとする、落ち着いた感覚はないのだ。 多分、これは、昭和の色合いの郷愁なのだと思う。 昭和の時代、白い蛍光灯の下で育った、生活してきたため、そのように感じるのだろうと思う。 そう、こんな感じの、リング状の蛍光灯の照明が普通だったように思う。 私よりもっと前の世代は、電球が家の灯りだったのかもしれない。 電球吊り下げ式のペンダントライトを、祖父母の家で見た記憶がある。 最近の世代は、電球色のほうが多い時代になっているような気がする。 今は昭和っぽい和風の照明器具も、LEDになってしまっているようだ。 蛍光灯の時代は終わったのか・・・あと何十年かすれば「蛍光灯って何?」って言う世代が普通になっていくのかも知れない。 ずっと都会に生まれ育ったため、故郷というものがない自分には、いまひとつ、郷愁という感覚が分からないでいたのだが、ああ、これが郷愁という感覚なのかも?と思った。。。。 本当は、家の灯りは白色にしたいのだが・・・妻は電球色が好みで白色は嫌がるので、白色の照明は今の住まいにはないのであった・・・多分この先も、白色の照明が許される事はないだろう(笑) 故郷は、遠くに在りて思うものと言うが、もう二度と帰れない、懐かしいあの灯り、そう、これが郷愁なのだろう。
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