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子供にも分かる政治の話(3) 『話し合いを妨害するのは何故?』

政治・経済・法律
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前回の話 なんでもかんでも多数決が正しいというわけではないと聞いた太郎くん。
太郎

「じゃあ、やっぱり、反対の人がいるのに、多数決をとる(強行採決)のは悪い事なの?」

博士

「それは、状況によるね。

例えば、太郎くんたちが、話し合いの時間を全然持たないで、少数派の意見も一切聞かないで、いきなり多数決をしたら、それは「強行採決」と言われても仕方がないね。」

太郎

「ちゃんと少数派の意見も聞いて、なるべく不満が出ない案を考えないとね。」

博士

「そうだね。

多数決を採る前には、他にもっと良い案はないか、少数派の人たちを救済(きゅうさい)するための方法は?とか、充分な話し合いをしなくてはいけない。

だけど、太郎くんが少数派の意見を聞こうとして、話し合いのために時間を持ったのに、少数派のひとたちが、何も意見を言わない、それどころか話し合いに参加すらしてくれない、と言う態度だったら、困ってしまうよね?」

太郎

「え、何のためにそんな事するの???自分たちの意見も言って、反映させてもらえるようにすればいいのでは?」

博士

「自分たちの意見を何がどうあっても絶対に通したい、それ以外は認められないって思ってて、だけど自分たちが少数派であることが分かってるからなんだろうね。」

太郎

「やっぱりただのワガママじゃ・・・」

博士

「そこで、少数派の人たちから、『多数決の前には話し合いをしなければならない』と言う事を逆手にとって、"話し合いをさせなければいい"という手段(しゅだん)をとるグループが出てきたんだ。

話し合いを妨害したり、話し合いに参加しなかったり。

参加しても、具体的な案や意見は一切出さないで、関係ない話を延々と続けたり。

そうやって、時間切れになるのを待つ。

そして、時間切れになったら、『話し合いが十分じゃない』から『多数決をすべきじゃない』って言いだすんだ。

それで多数決が次回に持ち越しになれば、次の時までに、自分たちの意見に賛成する人をもっと増やす努力をする、と言う作戦なんだろうね。

だけど、そんなことを繰り返していたら、いつまで経っても何も決まらない。それに、自分たちのほうがずっと人数が多いのだから、先延ばしにされたら、多数派の人たちも納得がいかないよね。

それから、期限が決まっていて、どうしても決めなければいけない事も中にはある。

そうなったら、仕方がないから、話し合いに参加しようとしない人たちは無視して、多数決を採って決めてしまうしかなくなるんだ。」

太郎

「結局、多数決になったら少数派の意見は通らないのだから、意味がないのにね・・・」

博士

「そうなったら今度は、少数派の人たちは教室の外に出て、職員室に行って、『強行採決だ!太郎くんたちは全然話を聞いてくれない!酷い!』って騒ぎだしたらどうなる?

そうすることで、職員室に居た先生たちの、太郎くんたち賛成派の印象は悪くなる、それが狙いなんだ。」

太郎

「なにそれ酷い」

博士

「最初からちゃんと見ていた先生は、強行採決ではないって知ってる。

だけど、話し合いの様子をちゃんと見ていなかった人もいる。そうすると、少数派の騒いでる姿だけを見て、

『この子たちがこんなに必死に騒ぐのだから、きっと太郎くんたちのやり方に問題があったのだろう』

って思ってしまう人も中には出て来るんだ。

そういうことが繰り返されると、太郎くんたちは悪い子なんだって思い込んでしまう人も増えてくる。

そういう人を増やして、太郎くんたちになにかを決めさせてはいけない、という雰囲気に持っていくのが狙いなんだ。」

太郎

「ええ~なにそれ酷い(´Д`;)」

博士

「だから、周りで見ている人たち(国民)も、一部分だけを見て安易な判断をしないようにしないといけないんだね。

それと、太郎君たちも、きちんと手続きを踏んでやっている、反対はの主張はおかしいということをアピールしていく必要もあるかもしれないね。自分たちが正しいことをしていても、黙っているとおかしな主張をする人間に騙される人が出てしまうかもしれないからね。」

太郎

「正しいことをしていても黙っていてはダメなんだね(-Д-;)」

博士「そう、自分が正しいってやたらとアピールするのは良くないって思う人もいるけれど、こと政治の世界においては、当たり前の正しい事も声を上げて主張していく事も必要なんだね。間違った意見を言ってる人や少数派の人の声ばかりしか聞こえないようになれば、やがて、誤解してしまう人もいるからね。」

太郎

「でも、テレビを見てるとキョウコウサイケツダ!!という意見しかやってないようにみえるのだけど」

博士

「そうなんだ、今の政府は、そこが課題かも知れないね。

基本的に、テレビや新聞というのは、「政府を監視する」ということが大切だと思っているんだ。だから、政府のやり方に対する反対意見があれば、それを報道する。だけど、そういう状態が何十年も続いていて、テレビや新聞社の中の人は、「とりあえず政府のやることは全部批判すべきもの」というやり方に慣れすぎてしまって、何も考えなくなってしまったんだね」

だから、いまや、テレビや新聞が言ってる事は全部正しい、というわけではなくなってしまったんだ。太郎君たちは、テレビや新聞で言ってる事をなんでもうのみにして信じないで、自分でよく考える事が大切だね。」

太郎

「そうなんだ、テレビで言ってる事はみんな正しいと思ってた・・・orz」




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