ヒヤリハットって言葉を聞いた事があるでしょうか? ハインリッヒの法則というものが元になっているそうですが ハインリッヒの法則 一件の重大事故が起きた時、その前に29件の軽微な事故があり、さらにその前に300件のヒヤリハットがある と言う事だそうです。 そこで、日頃からヒヤリハットを無視せず対応していく事で、事故を減らせるという活動なのですね。 これを実現すべく、毎日仕事の後に、その日の作業でヒヤリとした事やハッとした事がなかったかを報告させる、みたいな活動を行うわけです。 ウチの会社でもそれを取り入れておりまして。社員に、ヒヤリハットを書かせて日報と一緒に提出させているのです。 そして、どんなヒヤリハットがあったか、その報告書が回覧されてくるのですが・・・ いつ見ても、ヒヤリハット0件。 ウチの会社は事故など起こした事がない素晴らしい会社 なわけはなく。 事故はたくさん起きています。 重大事故も起きてしまっています。 なのになんでこうなるのか?
某日、社員全員を集めての会議に参加した時、原因が分かりました。 提出されたヒヤリハットは無記名ではないので、誰が書いたのか分かるわけですが。会議でヒヤリハットが発表され、より詳しく話を聞きたいと、提出した人間を一人ひとり指名して立たせて話をさせたわけですが。 そこで、なんと。 そのヒヤリハットを書いた人間が、非難され始めたのです。 そんなヒヤリが起きるのはお前が不注意だったからだ。 そんなヒヤリはお前が手順をちゃんと踏んでいないからだ。 そんなヒヤリ、起きる前に処置できたはずだ、なんでお前は気づかなかったんだ 指名された社員は、主に新人が中心で。これは何故かと言うと、なるべく新人にヒヤリハットを提出するように強く指導しているからなんですね。 しかし、書けば怒られる。ずる賢い中堅社員・古株の社員は、ヒヤリハットを書かない。 そして新人もそれに習った。そりゃそうですよね、書けば怒られるんですから。 そして、毎日、ヒヤリハット0件。 ・・・ 馬鹿なんですかね、この会社は(笑) ヒヤリハットは、書いた人間を叱ったら意味ないじゃないですか。むしろ、書いた人間を褒めて、報奨金を出すくらいでなければ、誰も書かなくなるのは当たり前でしょう。 以前、とある航空会社で「整備時に工具をエンジン内に置き忘れたかもしれない」と報告してきたエンジニアが居たそうです。 そのため、飛行機の運行を一時止めて、総点検という事態になってしまったのですが。 その航空会社は、正直に報告したそのエンジニアを叱るどころか、表彰したそうです。 そうでなければ、誰も自分のミスを報告なんてしなくなりますよね。 そもそも、ヒヤリハットはミスではないわけで。潜在的に危険な箇所を発見して潰していきましょうという活動なわけです。 それを発見したら怒られるようにしてしまったら、本末転倒でしかないわけですが。 それでなくても、報告書を書くのは大変なんです。絵を書いてちゃんと状況を説明せよ、とか指導されているので(笑) 多分それを書くのに30分とか1時間とか掛かるんじゃないかと思います。 仕事終わって疲れていて、早く帰りたいでしょうに。それを書くメリットが社員になさすぎるwww
ウチの会社、そういう事が多々あるんですよねぇ・・・ 建前、思想は立派な事を取り入れようと努力はするのですが、なぜか、感覚的な部分は古い体質がどうしても改善できなくて、言ってることと実際にやってることが違ってしまうという・・・ まぁ、それが人間てものなのかも知れませんが。 今日も、ヒヤリハット0件の回覧が回っています。 0件なら、もう回さなくてもいいんじゃないですかね? それを見るたびに、馬鹿なんじゃないの?と思ってしまいます。おかしいと思わないんでしょうかね。。。
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