それらの形状を良く見てみたら、角の部分が切り欠いてあって角の頂点が当たらないようになっています。
最近はホームセンターなどで売っている安価なソケットセットですらこの形状になってきていますね。
これは最初、"フランクドライブ"と言ってスナップオンが特許を持っていたのだそうですが、特許が時効になり、 世界中で作られるようになったのだそうです。(ジェネリックですね?!笑)
各メーカーの同等製品名称
Snap-on ⇒ 『フランクドライブ』
スエカゲツール ⇒ 『ウェーブドライブ』
ko-ken ⇒ 『フラットドライブ』
Tone ⇒ 『ストロングドライブ』
KTC ⇒ 『パワーフィット』
フラッシュ ⇒ 『パラボラ』
FACOM ⇒ 『OGV』
USAG ⇒ 『Full contact』
STAHLWILLE ⇒ 『As-drive』
しかしこれ、良く考えて見ると、 角の頂点より少しズレた位置に圧力がかかるようになっているだけで、これでは依然として"点"接触(立体的には"線"接触)であって、 "面"で接触しているわけではないではないですか???
(厳密に言えば、この接触している角の部分にもわずかにRがついていますので面と言えるかも知れません。もしかしてその辺はちゃんと研究されているのかも知れませんが・・・)
じゃぁと言うことで、自分で六角の絵を書いて面接触の形状を考えてみたわけですが・・・
・・・・・・面接触って難しいですね(^_^;)
ボルトやナットより一回り大きくないと(遊びがないと)ソケットにナットが入りません。
しかし、せっかく面接触になるように面の角度を合わせて作ってみてもその遊びの量がシビアで、僅かでも狂うと結局意味がなくなってしまいます。
じゃぁ工具自体の製造過程での加工精度の問題かとも思われましたが、実際にボルトナットのサイズをノギスで測定してみたら、いや測定しなくても、並べてみると指で触ってはっきり分かるほど誤差のあるモノがある事が分かりました・・・(@_@;)
ボルトナットやソケット自体が極僅かであっても変形する事まで考えると、平面で構成している限り面で接触する事はなさそうです。
そこで登場するのが、平面ではなく曲面で構成することでより理想に近い面接触を実現しようとしたタイプ
■FPCのパラボラソケットタイプ
(※それっぽく描いた図です、実際の形状とはR等が異なっています)
■Ko-kenのサーフェイスドライブタイプ
(※それっぽく描いた図です、実際の形状とはR等が異なっています)
より理想に近いのはパラボラタイプではないかと思うのですが、、、コーケンのは形がカッコいいので好きです(^^)
これでも理論的には点(線)でしか接触しないはずなのですが、平面で構成されているものではどうやっても点でしか接触しないのに対し、曲面構成ならば、ナットやソケット自体の変形まで考慮に入れれば面接触に限りなく近くなる、と言うことなのでしょう。
この種のソケットは、カドをナメてしまったナットも回せる、と謳われています。
これが主流になってもおかしくないとさえ思うのですが、あまりメジャーではないようですね。(パテント関係の問題でもあるのでしょうか?)
このタイプのソケットは、FPCとKo-Ken(ともに日本のメーカー)の二種類しか見つかりませんでした。
※フランスはFACOMのOGVプロフィールと言うのが曲面構成の面接触タイプらしいです。ただ、こちらは12角タイプのようです。
ただ、意外だったのは、この種の面接触を追求したソケット、あまり普及していない、と言うより特殊工具扱い?Ko-Kenに至ってはフラットドライブと言う従来型の面接触ソケットを平行して売っている状況です。
⇒ [AMAZON]FPCパラボラソケット
⇒ [AMAZON]コーケン サーフェイスソケット
※面接触ソケット(2)へつづく
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