ラチェットレンチと言えば、ソケットツールをドライブするハンドルの代表格、 あまり工具に詳しくなくとも知っている人も多いメジャーなツールではないでしょうか? しかし、現実に工具を使用して車やバイクのメンテナンスなどしてみた方は分かると思いますが、 そんなに『これは便利!』って言うツールではないですよね。 むしろ、必要な工具を買い揃える頃には、ほとんど出番はなくなってしまうのではないでしょうか? 「ボルトに工具を嵌めたままで回せるから、嵌めなおす必要のない分早回しができるのではないか?」 と最初は思うのですが・・・
スポンサーリンク
スポンサーリンク
実際にやってみると勘違いである事に気付くと思います。 一度のストロークでせいぜい大きく回せても30度~45度くらいが限界ですから、ボルトを1回転させるのに4回ストロークさせなければいけません。 ボルトを締めこむのに10回転させなければならないとするなら、40回腕を振らなくてはならない計算です。 そして、ラチェットレンチは戻す動作の時、ギアを空転させるためにある程度の抵抗が必要ですが、 何の抵抗もなく軽く回ってしまうボルトではまったく役に立ちません。 (ボルトを手で抑えてある程度抵抗を与えながら回せば使用できますが、冷静に考えると、ものすごい非効率的な事ですよね。) 抵抗なく回るボルトやネジは、手で直に掴んで回すのが1番早いです。 抵抗が多少あるときでも、留めようとしている部品の角度がうまく合っていなくてボルトに抵抗がかかっているだけで、 部品の位置をちょっと手で修正して抑えてあげれば手で軽く回る事が多いです。 手で限界まで締めこんでから、最後の1/2~1回転だけ、工具を使用して本締めすれば完了です。 ドライバーを使う時は、グリップの細くなっている部分を持って回してあげれば早く回せます。 ドライバー状のソケットツールなどはなくてもいいツールですが、思いのほか便利でハマります。。。 してみると、ラチェットの出番と言うのは極めて少なくなってくるのは当然ではないでしょうか? 狭い場所でドライバーが入らないような場所ではあると楽なときもあります。てか、ないと外せません。 しかし、そのような場合もたいてい、不精しないで障害になっているパーツを外せば問題ないケースが多かったりします。 (プロは不精しませんよね。。。) あるいは、ボルトにいつまでも抵抗があって手で回すのが無理なケース(=ネジロック剤がついているボルトなどでしょうか) には欲しくなりますが、しかし・・・プロでもないのにネジロック剤のついたボルトをはずす作業も、 一体年に何回あるというのでしょうか?(笑) さらにさらに言うなら、安物のラチェットレンチは強いトルクをかけると壊れます。。。(-_-) 『仮締めまでラチェットレンチで、本締めはメガネレンチで』 昔どこかでそう教わりました。自分の安物の壊れたラチェットを思い出して納得しました。 しかし、ラチェットレンチに詳しい人はこれに異を唱える方もいると思います。 確かに、高級なブランドのラチェットレンチは「保証トルク」が明示してあって、十分本締めに使える強度があるようです。 しかし。 毎日何十何百ものボルトを緩め締めするような人こそ、ラチェットレンチが必需品と言えると思いますが、 そうそう高級な工具を揃えている人も少ないのが実情でしょうし、高級とは言わずとも決して安くはない工具を使い捨てにしていくわけにも行かないでしょう。 そのような工具を酷使する環境では、『仮締めまでラチェットレンチで、本締めはメガネレンチで』それもまた間違いではないと言えるしょう。 ここでふと我を思い返してみれば、週末に何個かボルトを回す程度の身で、 そう出番も多くはないであろうラチェットレンチが必要か? と考えてしまうと、高級なラチェットレンチを購入する踏ん切りはなかなかつきませんよね。(^_^;) 安物は壊れる、良いものは高価。 特に初心者の方ならば、ラチェットを買う前に他に買うべき工具があるでしょう。 ただ、あると確かに便利な局面もありますので、最初はホームセンターで売っている1/4sqのドライバービットも使用可能なセットを買っておけば結構活躍するのも事実だったりしますが(^^;;;) ドライバービットにヘキサゴンビット、ソケット数種がセットで値段も安いです。 (無理なトルクをかけると簡単に壊れますので注意) ここでもう少し、実際に自動車やバイクのプロのサービスメカニックの方が使っている工具を考えてみますと・・・ 彼らが実際に使っている工具に、ラチェットレンチはほとんど登場しないのではないか?と想像します。 大手バイク屋さんの作業場を覗いてみると、なにやらホースがいっぱいぶら下がっています。コンプレッサの空気圧で工具を駆動するエアーツールですね。 あるいは、T字のボックスレンチもぶら下がっていると思います。もちろん様々な種類のメガネレンチも揃っていると想像します。 ラチェットレンチももちろん工具箱には入っていると思いますが、あまり頻繁に活躍しているシーンは記憶にないような気がします。。。
そういいながらも、私もラチェットを買って持ってますが(笑) こんなやつ 詳しいウンチクは別の記事に書きますが、使ってみた感想・・・ ずばり、同じ長さのスピンナーハンドルのほうが便利かも・・・(^_^;) クイックリリース機能は便利と思ったのですが、これ、だめですね(ーー;) ソケットがボルトに対して斜めになってしまわないように押し付けたいのですが、 クイックリリース用のボタンが頭についていて、頭を押すことができない・・・(´д`;) べつにドライバーじゃないんだからギュウギュー押さなくてもいいのでしょうが、 なんか普通に使ってもすぐにナナメになってしまうような感じです。グリップがカーブしてるのがいけないんでしょうか・・・? どうせ押し付けて使うわけだから、クイックリリースボタンごと押し付けて使うようにしましたが、なんか本末転倒なような気が・・・ クイックリリースが便利なので(笑)エクステンションと組み合わせて、 早回しはエクステンションとソケットのみで、本締めだけラチェットつけて、て感じの使い方になっています。。。 でもなら、ラチェットである必要がないような・・・まぁ、ネジロック剤や塗料がついてしまった、いつまでも回転が渋いボルトを回すのには重宝しました。
コメント
初めまして。通りすがりの整備士です。私は毎日数え切れないほどラチェットを使います。もちろんエアラチェットやエアインパクトも使いますがホースが邪魔なのと嵩張るのでラチェットに各種エクステンションやユニバーサルソケット等を取り付けて使う事が多いです。他にも首振りギアレンチも多用します。理由は早回しとメガネレンチが入らない場所が多いからです。T型ハンドルが使える場所はより早回しが出来るので使いますが普段はラチェットで仮締めしてトルクレンチやブレーカーバーもしくはメガネレンチで本締めです。車の下回りなどは汚れや錆びや固まったグリスなどでスムーズにネジが回らない事が多いのも理由です。それに一つの部品の脱着をメガネで行う為にいちいち周りの部品まで外していたら時間がかかっていつまでたっても作業は終わりません。作業効率は大切です。
コメントありがとうございます。
なるほど、私は年に何回も使わない素人のメンテンナス程度ですが、プロであれば、必要に応じてラチェットも使うのは当たり前なのですね。それぞれの道具に良し悪しがあるので、適材適所ですね。
はじめまして、元整備士です。私は整備士を引退してから25年ほど経ちますが、当時一番頻繁に使用していたのはラチェットです。大まかには「通りすがりの整備士さん」がおっしゃってる通りですし、メガネやTレンチ等よりもはるかに使用できる範囲の自由度が大きいです。あと、本締めに使えないと思っていらっしゃる方が多いようですが、私自身本締めでもラチェットを使っておりましたし(本来ならばトルクレンチを使用したほうがいいですが)、本締めでは一度も壊したことはありません。むしろ緩めるときのほうが危ないです(ちなみにスナップオンのラチェットを3本壊しました)。おそらく過度にかかったトルクが緩んだ瞬間に反作用で弾かれるように回転しながら切り替えレバーを弾くことによって急にロックがかかりギヤが飛んでしまうと思われますが・・・
いずれにしても「通りすがりの整備士 さん」のおっしゃる通り作業効率を考えたらラチェットは外せませんし、使用箇所によっても形状の違うラチェットが最低でも5本くらいは必要だと思いますよ。
ラチェットは緩めるときに壊れる、これは初耳でした。やはり数をこなしているプロならばこその経験談ですね。貴重はお話をありがとうございました(^^)
電動インパクトでほとんどのものが緩められ、ドライバドリルで簡単に締められる昨今、ラチェットはほとんど使いませんね。
スパナ、メガネ、共に旧世代の工具だと思います。