映画『フィッシュストーリー』 2009年 日本 監督 中村義洋 原作 伊坂幸太郎による同名の短編小説集(2007) 概要:時期の異なる4つの短編ストーリーが描かれていく。一見、関係がないかのように見える4つのストーリーが最後に繋がり奇跡的な結末を迎えるという仕掛けになっている。 最初は退屈な話だなぁと思ったのですが、最終的には実に鮮やかな、そして洒落た結末に結ぶ、終わってみれば実によくできたストーリーだと思いました。 以降ネタバレ注意 ↓↓↓ ↓↓↓ ↓↓↓
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ストーリーA(2012年)
巨大な隕石が地球に衝突することが判明、衝撃で起きる津波で日本は絶滅することが予想されていた。人々は富士山に登るなどパニックに陥るが、そんな中、呑気に営業を続けるレコードショップがあった。店の中には店主の岡崎(大森南朋)と、最後の瞬間までレコードを聞きたいという客、その様子を不思議に思った宗教家の男がいた。店主の岡崎は37年前の「逆鱗」というバンドの「FISH STORY」という曲を客に薦めた。
ストーリーB(1982年)
健太郎(山中崇)と悟(波岡一喜)、気弱な雅史(濱田岳)は合コンに参加するため車を走らせていた。車内では逆鱗の「FISH STORY」のカセットテープを流していた。この曲には途中に無音の部分があり、その部分で女性の悲鳴が聞こえると呪われるという噂があったが、三人には何も聞こえなかった。 合コンに参加していた霊感の強い女性・晴子は「今日私と会う男は世界を救う」と予言する。そして雅史には「運命の人に出会っても立ち向かわないと他の男のものになるよ」と言う。 健太郎が晴子を連れてホテルへ行ってしまうのを止められなかった雅史は「FISH STORY」を流しながら車を走らせているが、無音部分で女性の悲鳴を聞いてしまう。車を停めると女性がレイプされそうになっており、晴子の言葉を思い出した雅史は勇気を振り絞って女性を助ける。それがきっかけで雅史はその女性と結婚、男の子が生まれる。
ストーリーC(2009年)
女子高生の麻美(多部未華子)は、一度寝てしまうと何が起きても滅多に起きない。修学旅行の帰りのフェリーが東京に着くも、寝過ごして降りそびれてしまったが、そのフェリーが謎の宗教団体の男たちにシージャックされてしまう。 シージャック事件はフェリーのコックだった青年(森山未來)が立ち向かい解決する。コックの青年は幼い頃から空手の修練を積み、正義の味方として育てられていたのだった。
ストーリーD(1975年)
パンクロックを歌っていた「逆鱗」というバンドがレコード会社のプロデューサー岡崎の目に止まり、プロになる。しかしパンクロックがまだ馴染みのない時代だったため、曲をバラード調に変えられて不満を抱える事に。結局「逆鱗」はまったく売れず、とうとう最後の曲をレコーディングして終わる事に。 リーダーの繁樹(伊藤淳史)は、岡崎が持っていた本(フィッシュストーリー)を手に取り、そこに書かれていた言葉を歌詞にする。最後の曲のレコーディングで、ボーカルの五朗(高良健吾)は思わず間奏中に愚痴を呟いてしまう。結局、岡崎はその部分を消し無音のまま発売する事にするのだった。 繁樹はその曲のタイトルを、引用した本のタイトルから「フィッシュストーリー」と名付ける。小説から引用した歌詞なんて盗作にならないか?と心配するメンバーに岡崎は、その本は世界に一冊しかないから問題ないという。 その本は実は、戦後の混乱期に、外国の作品を英語の分からない者がいい加減に翻訳したもので、内容がメチャクチャだったため回収され絶版になった本なのだという。その出版社に勤めていた岡崎の叔母が一冊だけ持ち出していたものを岡崎が受け継いだものだった。 繁樹はフィッシュストーリーの言葉には何か深い意味があると思っていたが、実は「フィッシュストーリー」というのは英語で「ほら話」という意味だと教えられる。 岡崎は「今は受け入れられないが、きっと何十年後にこの曲が受け入れられる時が来る」と言う。 「こんなのはどうだ?喫茶店である男性がこの曲を聞いていたが、無音部分でウエイトレスの声が耳に入り顔を上げる。そうして出会った二人が結婚し、できた子供がやがて偉い人になるんだ。」 「偉い人って?」 「ノーベル賞!」 「どうせなら、世界を救う話にしてくれよ、どうせフィッシュストーリーなんだから」 と笑い合うメンバーと岡崎だった。
再びストーリーA(2012年)
隕石は地球に刻々と近づいている。世界から五人の精鋭が集められ、インドのロケットで隕石の迎撃に向かう事に。 半年前にアメリカが隕石に仕掛けた核爆弾にミサイルを命中させれば地球は救われると思われた。だが、その命中確率は0.000013%・・・ 果たして、ミサイルは命中し、隕石は四散、地球は救われる。 ヒーローインタビューに答える宇宙飛行士達、彼らは「自分たちは何もしていない、すべて、ミサイルの難しい軌道計算を正確に成し遂げた彼女のおかげだ」と答える。 カメラの先には、眠りこけている数学の天才少女・麻美の姿が。。。 麻美をシージャックから救ったコックは、繁樹の息子であり、繁樹は逆鱗のフィッシュストーリーがきっかけとなって結婚したのだった。 岡崎のフィッシュストーリー(ほら話)が現実になり、逆鱗の曲をきっかけに世界は救われる事となったのだった。。。(END)
☆余談ですが・・・核爆弾は、ミサイルを当てても誘爆はしないと思うんですけどね・・・(^^;)
核爆発を起こすのは、結構繊細なバランスが必要※で、それが崩れたら核反応が起きずに小さな爆発で終わってしまうんだったはず・・・
※ウラニウムなどを中心に添えて、周囲に球状に360度×360度爆弾を配置、それが完全に同時に爆発することで中心のウラニウムが超圧縮されて核反応起きるので、爆発(圧縮)のタイミングがずれると核反応が怒らず終わってしまう。(そのため、何度も核実験を行ってタイミングを調整する必要があるわけですね。)
なので、周囲から外的に爆発物をぶつけたとしても、偏って破壊されるだけなので、核爆発にはならないような気がします。。。
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