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映画の感想「ひと夏の隣人」

エンターテイメント・アート

■ひと夏の隣人

※これは、名作だと思いました!!

ストーリー(ネタバレ注意)

登校拒否をしている女子中学生のチオリ(山口まゆ)が毎日の日課(勉強)をしていると、ずっと空き家だった隣の家に人が住み始めた事に気がつく。

チオリの部屋からはその家が側面しか見えず、どんな人が越して来たのか分からないのだが、時折、窓から植木に水をやってる手だけが見えた。

チオリが観察していると、ある日、窓から出た手が、水やりに使っていたカップを落としてしまったのが見えた。家主が拾いに庭に出てくると期待して見ていたチオリだったが、家主は家から出てこず。窓から杖を伸ばしてカップを拾うのが見えたのであった。

「杖? 足が悪いので家から出られない人・・・?」

ある日、その家に越してきたオジサン(田口トモロヲ)が植木に水をやろうと窓を開けると、そこにチオリが立っていた。痺れを切らしたチオリが隣人がどんな人物なのか確認しにきたのだ。

チオリ「オジサンって引きこもりなの? 大人のくせに?」

最初は失礼な態度のチオリに憮然とするオジサンだったが、やがて二人は毎日話をするようになる。話題は色々な映画の話。中学生らしい率直な感想が微笑ましい。

中盤、チオリの事情の説明。

母の浮気とそれによる両親の離婚、初潮の遅れ、それによるイジメ、無神経な担任教師からのモラハラ。

やがて担任が登校拒否中のチオリの説得に家に尋ねてくるようになるが、その担任のモラハラこそが登校拒否の最大の理由なのに、母も、誰も気付いてくれない。

(担任はタロット占いで出たカードからチオリが悪い子だと決めつけるような、ちょっと頭のおかしいタイプ。「でもダイジョブ、努力して直して行きましょう!」悪気はないのかも知れないが、両親の離婚やイジメに苦しんでいたチオリにはそれが堪えられなかったのだと思われ・・・)

やがて初潮を迎え、母の生理用品を使おうとして、母が隠している避妊具を見てショックを受けてしまうチオリ。

(母が浮気して離婚したのに、父親を家から追い出し、自分は今でも浮気相手と出張と嘘をついては旅行に行っているのだ。)

真っ白い服を着たチオリ(直前に見た映画「キャリー」のクロエ・グレース・モレッツの真似?)はオジサンの庭で座り込んでいた。

チオリ「自分はトクベツじゃなかった」

自殺するから見ていてと言うチオリに分かったと答えるオジサン。

手首に包丁を当てるチオリ。

オジサン「あ! 切り方が違う。縦にざっくり行かないと死ねないよ?」

縦に当て直すチオリ。

オジサン「あ! もっと下がってくれる?」

チオリ「なんで?」

オジサン「返り血浴びたくないから。動脈切るとすごい血が吹き出るからさ・・・」

血が出ると聞き、自分の生理の血(=母の浮気?)がフラッシュバックし、自殺できなくなるチオリ。

それを見て、オジサンが「なんで死ぬの?」と初めて訊く・・・。

チオリの話を聞き、「格好悪い終わり方だ」と言うオジサン。

チオリ「じゃぁどうしたらいいの?」

オジサン「自分が本当に殺したいモノを殺せばいい。胸の中にくすぶっているモノを殺せばいい」

チオリ「殺すの?」

オジサン「この間来てた担任?」

頷くチオリ。

オジサン「そいつを殺せばいい・・・」

オジサンがメモを渡す。

渡されたのは何本かの映画のタイトル。

それらの映画を見て、殺人の方法を考案するチオリ。

選んだのは、コインをたくさん入れた靴下で殴る方法。(ちょうど父親が残していった貯金箱があった。)

幼馴染の男の子・白井竜まで巻き込み家に押しかけてきた担任にキレたチオリは計画を実行しようと二人の尾行を始める。

夜道、担任の背後から忍び寄るチオリ・・・

振り上げたコイン入り靴下。だが、振り下ろす前に靴下は破れ、中のコインが飛び散り失敗に終わる。(担任はイヤホンで音楽を聞いていて気づかなかった。)

失敗したと報告に来たチオリに、オジサンは「やっぱ武器はダメだねぇ」と言う。

チオリ「じゃぁどうしたら殺せるの?」

オジサン「素手。やっぱり素手だ」

別の日。オジサンに再び決行を宣言するチオリ。

気の利いたセリフは?と聞かれてオジサンは

「過去を捨てても、過去は追ってくる」と答えた。

その夜。

階段の上から担任を突き落としたチオリ。

階段の下で苦しむ担任に馬乗りになり頸を締めるが、担任の額を流れる血を見てフラッシュバック再び。

その瞬間に担任に逃げられてしまう・・・。

オジサンの家に戻り、一夜を明かすチオリ。

「自分には何もできない」と泣くチオリに、オジサンは「いいじゃないか、君はまだ泣けるんだから」と言う。

オジサン「もう泣けないよりずっといい・・・」

泣き崩れるチオリ。

泣きつかれてそのままオジサンの家で寝てしまったチオリは、翌朝、一番好きな映画の話を教えてと言う。

だが、すぐに話は中断する。

警察がやってきたのだ・・・。

オジサンに抱きつき感謝を伝えるチオリに、オジサンは「自分のほうこそ、ありがとう、本当にありがとう」と言う。

警察に連れて行かれるオジサン。

警察は、チオリではなく、殺人犯であるオジサンを逮捕しに来たのであった・・・。

一緒に居たチオリも事情聴取を受けるが、ヒステリーを起こす母親に

「オジサンとは話してただけ! オジサンは、誰も聞いてくれなかった私の話を聞いてくれたの!!」

とチオリが叫ぶ・・・。

ネットで事情を調べるチオリ。

オジサンは、自分の妻と娘を轢き逃げで殺されていたのだった。
すぐに救急車を呼べば妻と娘は助かったのかもしれなかったのに、飲酒運転だった犯人は酒を抜くため逃げたのだ。
妻と娘を殺しておいて、軽い処罰しか受けなかった犯人を許せなかったオジサンは、その犯人を殺してしまったのだった・・・。

散歩していて白井竜と遭ったチオリは、竜が犯行時にチオリが備考してた事に気付いてた事を告げられる。その後担任が襲われた。つまり・・・

だが、竜は担任が警察に行くことはないから安心しろと言う。

担任は、竜を食事に誘い、その席で竜に酒を薦めていたのだ。そのシーンを竜は隠し撮りしており、それを担任に送りつけ「警察に行ったら公開すると脅してやった」と言う竜。

学校に登校する決意をしたチオリは、登校前に犯行現場を通るが、そこで自分が割ったカップの破片を発見した。

それを見て、靴下が破けるようオジサンが細工してくれていた事を悟る。

他にも裏でオジサンが動いてくれていたのを悟るチオリ・・・

その時、階段の上で担任と再会する。

担任は痛々しい包帯をしているが「大丈夫」と強がる。

チオリ「そうですかぁ? あんな突き落とされ方したら、相当痛かったと思いますけど?」

担任を睨みつけ、にじり寄るチオリ。

青ざめ後退る担任。

チオリ「これ、お返しします!」

担任のバッグに突っ込んだのは担任が置いていったタロットカードだった。

学校では同級生に遠巻きにされるが、幼馴染の白井竜が話しかけてくれる。

竜「なんでカエルなのか分かったよ。知りたくない?」

(※オジサンが一番好きだと言っていた映画「マグノリア」の話。カエルが出てくるらしい?)

チオリ「知りたい!」

竜「どうしよっかなぁ~」

チオリ「ちょっと! 教えてよ!」

モノローグ:『私の人生がハッピーエンドになるかどうかなんて全然分からない。今のこんな気持もそのうち忘れてしまうのかも知れない。ひとつだけ確かな事は、あの隣人と過ごした夏は、私にとって二度とない、特別な夏だったってこと。私はあの夏のカケラを、誰にも見せずに、でも忘れずに、心にずっと持ち続けていく・・・』

「夏終わったなぁ!」

去っていくチオリの後ろ姿でエンドロール

ストーリー、構成。とても完成度の高い作品だと思いました。名作だと思います。

よく出来すぎていて、何回か見ないと伏線がよく分からなかった(笑)

チオリがイジメを受けたのは、幼馴染の白井竜に告白してフラレた同級生がチオリに嫉妬したからだったんですね。

隠れて白井竜とチオリが付き合ってるからだってフラれた同級生が言ってた。(チオリは否定。多分、竜はチオリが好き。)

チオリの両親の問題や初潮が遅れている話を担任が知っていたのは、同級生をタロット占いを利用しながらうまく誘導して担任が聞き出した? 担任がチオリに偏見を持ったのは、その同級生の話を間に受けたからだった?(あるいは母親が担任に初潮が遅れていると話した?)

学校裏掲示板にチオリの初潮がまだだと言う話が流れるが、そんなプライベートな話、誰がリークした?

チオリが「サイトに書き込みしたの先生ですよね?!」ってチオリが怒鳴り込んだのはそのせいか・・・。

担任が「チオリは自分が特別だと思い込んでいる」と決めつけていたが、それは同級生がそう言ってたからなんでしょうねぇ。

まぁとにかく、異常な教師ですね。。。最後ザマァされてよかった(笑)

オジサンは元教師だった。教師だった立場から、登校拒否の中学生を見てどう思ったのか・・・。

そして、チオリに感謝したのは、亡くなった娘を思い出させてくれたから・・・?

担任の頸を締めていた時も、階段の上から瓶が落ちてきて割れ、担任が逃げる隙ができた。その瓶も、こっそりついてきたオジサンが投げたものだった模様。

担任が尋ねてきた時も、警察が来た時も。チオリはオジサンの側に居たので無事だった。チオリにとってオジサンの存在は、自分を守ってくれるシェルターのような存在だったんでしょうね。

エンドロールの終了後、再びオジサンの逮捕シーン。そこに響くチオリの声。

チオリ「オジサン!!」

それを聞き、空を見上げたオジサンは、意を決したような表情で歩き始める。

田口トモロヲが格好良いオジサンをやるのは珍しい・・・(笑)


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