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ハロウィンのカボチャとオズの魔法使い

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ハロウィンが近くなり。世間はハロウィン一色になっておりますね。いや、ハロウィン"商戦"一色と言うべきでしょうか(笑)数年前まではそんなことはありませんでしたが、あらたな経済効果を創出しようとしているわけですね。

そんなわけで、町中のいたるところに目鼻がついたカボチャが飾られているのを見かけます。

しかし、実はもともと、ハロウィンのアレは、カボチャではなくカブなんだという話を聞きました(笑)

ハロウィンというのは、もともと、ケルト人の宗教的な行事「万聖節」が発祥となっているとか。これは古代ケルト人の秋の収穫感謝祭で、その日には、亡くなった霊が親族を訪ねてくるとも言われているのだそうです。日本のお盆に似ていますね。

ただし、この日は、亡くなった霊と一緒に悪霊もやって来て、作物を荒らすと言われていて、バケモノの仮装をするのは、やってきた悪霊と同じ格好で、仲間ですよ、とアピールして難を逃れるためなんだとか。 

子供が仮装してお菓子をもらうようになったのはかなり後になってのようですが、これも魔物のご機嫌をとり家の中まで入ってこないようにする意味があったとか。


そしてカボチャ、もとい、カブの話ですが、これは、アイルランドやスコットランドに伝承されている、ジャック・オー・ランタンという名の悪霊?で、頭がカボチャではなく、カボチャのランタン(提灯)を持っている幽霊のことだそうです。(日本でいう「鬼火」や「人魂」のようなものを指す言葉でもあるようですね。)

ハロウィンというと、かぼちゃをくり抜いて顔にしているイメージがありますが、カボチャは本当は頭ではなかったんですね(・o・;)



このジャック・オー・ランタンにはちょっと悲しいような恐ろしいような伝承が残っているのだとか。
昔、ジャックという名の、ずる賢く乱暴者で嘘つきでケチの男がいました。

ジャックは、ハロウィンの夜にも酔っ払い、悪魔と出会ってしまいます。

悪魔はジャックの魂を取ろうとしましたが、ジャックは、魂をやる代わりに酒を飲ませてくれと悪魔に頼み、酒代を払うためのコインに化けさせます。すかさずジャックはコインを財布に入れ十字架で押さえつけて閉じ込めてしまいます。

ジャックは悪魔を出してやる代わりに、今後10年間はジャックの魂を取らないと約束させる事に成功しました。

そして10年後、悪魔が約束の魂を取るため、再びジャックの前に現れますが、ジャックは「魂をやる代わりに、最期にあの木のりんごが食べたい」と頼み、悪魔を木に登らせます。すかさずジャックはナイフで木の幹に十字架を刻み、悪魔は木から降りられなくなってしまいます。そしてジャックは、悪魔を開放する代わりに、永遠に魂を取らないと約束させる事に成功します。

時は経ち、やがてジャックも寿命でこの世を去りました。

しかし、生前の行いが良くなかったジャックは天国へ入ることを断られてしまいます。
仕方なくジャックは地獄へ行きますが、そこにあの悪魔が現れ、「お前の魂は永遠に取らないと約束したのだから、地獄に入れる事はできない。」と言われてしまいます。

道を引き返すしかないジャックは、暗い闇の広がるばかりの道を照らすため、悪魔に頼み込んで地獄の炎の欠片を分けてもらいます。ジャックはもらった火が消えてしまわないよう、道端に転がっていたカブをくり抜き、ランタン(提灯)にしました。

こうして、ジャックは、ランタンを持ちながら、天国にも地獄にも行けず、今でも行くあてもなく彷徨っているのだとか…。
なるほど、カボチャではなくカブで、しかも頭に被るのではなく、提灯にしているのですね。!

では、なんでカブがカボチャになったのか???

検索してみたら、どうやらアメリカに伝わった時に、カブよりかぼちゃのほうが生産が多く一般的だったためそれに変更された、ということのようですね。

また、「カボチャ頭のジャック」って言うくらいで、頭にカボチャを被ってるイメージがありますが、どうして提灯が頭に被るモノになってしまったのかと思ったら・・・

勘違いしていました。(多分多くの人がそうでしょうね)
「カボチャのジャック」と「ジャック・オー・ランタン」は別のものだったのですねΣ(^^;)

「カボチャのジャック」はオズの魔法使いでした!

昔、オズの魔法使いシリーズにハマったことがあって、夢中で原作(の翻訳)を読んだものですが・・・すっかり忘れていました(笑)

オズのカボチャ頭のジャックは、オズの魔法使いの中に出てくるチップという少年が、モンビを驚かせようと作った人形で、モンビが「いのちの粉」をかけて命を与えた事で誕生しました。
余談ですが、このチップ少年の正体はオズマ姫なんですよね。

チップ少年が登場するのはオズの魔法使いシリーズの二作目、「オズの虹の国」。一作目でドロシーがカンサスへ帰ってしまった後、再びオズの国を訪れるまでの間の話で、オズシリーズ中唯一、ドロシーが登場しない話ですね。

そしてモンビはオズマ姫を少年に変え、記憶を奪ってお手伝いとしてこき使っていた人物。

チップが仕えているモンビは、映画やアニメや舞台、ドラマなどで微妙に設定が違っていて、西の魔女と呼ばれたりする場合もありますが、原作では魔法は仕えますがただの魔術マニアの人物という設定ですね。
(原作では西の魔女はドロシーによって退治されてしまいました。西の魔女の姉の東の悪い魔女は、物語の序盤で竜巻によって飛ばされた来たドロシーの落下地点にいて圧死してしまっています・・・。)

チップのいたずらに怒ったモンビのお仕置きを恐れて、カボチャ頭のジャックとともにチップは家出、冒険の果にエメラルドの都に辿り着き、良い魔女グリンダの力で魔法を解かれ、オズマ姫に戻る、というの2作目の話ですね。
というわけで、ジャック・オ・ランタンとカボチャ頭のジャックは別人なわけですが、オズの魔法使いのカボチャ頭のジャックのイメージは、ハロウィンのジャック・オー・ランタンのカボチャのイメージが投影されているのでしょうね。

カブがカボチャになったのも、ジャック・オ・ランタンがカボチャ頭になったのも、アメリカ文化の影響だったのですね

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