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フランケンシュタインコンプレックスとロボット三原則

「ロボット三原則」

今時の若い人はもう、この言葉さえ知らない人が多いかも知れませんね。

SF小説家・科学者(大学教授)であったアイザック・アシモフが提唱したものです。

これは、同じくアシモフが提唱した

「フランケンシュタイン・コンプレックス」

に対する解決策として考えられたものですね。

昔は大手電機メーカーにアシモフが招かれて講演を開く事もあったほどで、科学技術に携わる人なら知らない人はいなかったと思います。

あまりに常識すぎて、自分がこれについて改めて記事を書く日がくるとは思いませんでしたが(笑)

ロボット三原則とは

具体的には ・・・なんでしたっけ?(笑) いや、冗談です、諳で説明できます。
  1. ロボットは人を傷つけはならない(人が傷つくのを看過してはならない)
  2. ロボットは人間の命令に従わなければならない
  3. ロボットは自らの身を守らなければならない
  4. ※原則には優先順位あり(1>2>3)
と言うものですね。

この原則を、ロボットは絶対に守るように設計しなければならない、というもの。

なぜこんな原則が必要かというと、ロボットに人間が殺されないためですね。

ロボットがやがて自分で判断力を持ち、自律行動するようになり、人間の世界に普及したとすれば、いずれ人を傷つけ殺してしまうロボットが出て来る可能性は高い。

人間のように自分でモノを考え、自分で行動するロボット。そして、そのロボットは、人間を遥かに超える能力を持っているわけです。
もし彼らが、何らかの理由で、人間を殺さなければならないと判断し、行動を始めたとしたら・・・

どっかで聞いたような話ですね。

そう、SF小説や映画でさんざん描かれてきた世界です。

人が自ら造ったモノに対して人間が恐怖を感じる、これをメアリー・シェリーのSF小説「フランケンシュタイン」に喩えて、アシモフは「フランケンシュタイン・コンプレックス」と呼んでいました。

このフランケンシュタイン・コンプレックスがベースになっているSF作品、結構多いです。

代表的なところでは「ターミネーター」や「マトリックス」でしょうか

「ターミネーター」は、未来からロボットが人間を殺しに来る話ですが、殺しに来たロボットもそうですが、そもそものベースとなっているのが、未来において、「スカイネット」と言われるコンピュータが世界を支配し、人間を抹殺しようとし、人間と機械の戦争が起きてしまったというのが発端となっているわけですね。

「マトリックス」も、種を明かせば、未来において、人間とロボットの戦争が始まってしまった後、という世界観ですね。

 

比較的、日本の作品にはフランケンシュタイン・コンプレックスの傾向は少ない(というかない)ように思えます。

日本のSF作品に出てくる自律活動型ロボットというと、代表は鉄腕アトムドラえもんでしょうか?

どちらも優しい心を持ち、人間的で、人を傷つけるんじゃないかという恐怖感はあまりありません。

欧米にフランケンシュタイン・コンプレックスが多いのは、宗教的な罪悪感があるのではないかと思いますね。(神が人を造った。人が人のようなものを作るのは畏れ多い、というような。)

アシモフというとSF小説家というイメージが強いですが、彼の著書のうちSF作品は3割程度なんだそうですね。

アシモフのSF小説は、基本的に一つの連続した宇宙での過去と未来の話であり、その根底にはロボットとロボット三原則の存在が生きています。

初期の作品は、まだ進化の途上であったロボットが事故や事件を起こす、状況とロボット三原則との兼ね合いから、ロボットがなぜそのような行動をとってしまったのか?を解明していくような話が多かったですね。

そのためロボット心理学者という職業が登場することになる。

例えば
A・B二人の人間とロボットが居たとする。 BはAを殺そうとしている。 Bを殺す以外、A殺害を止める方法はない。
と言う状況の時、ロボットはどのような行動をとるか?

みたいな話ですね

ロボットは人を殺すことはできないので、Bを殺せという命令には従えない。
しかし、Bを殺さなければAが殺されてしまう。
Aが殺されるのを看過するのもロボットには許されない。

さて、どうなるか?

あるいは
災害時にA・Bどちらか一方の人間しか救助できない、救助されなかったほうの人間は死んでしまう。両方救助しなければ両方死んでしまう。
と言う状況の時は?

ロボットの判断力(AI)がどれだけ高度に発達しているかにもよりますが。

Aのほうがより重要な人物だと判断して、Bを殺してしまうかも知れない。
しかし、ロボット三原則に反した行動をロボットはとれるのか?
三原則に反した行動をとったロボットはどうなってしまうのか?

さらには、人間がロボットのこの特性をうまく利用して、矛盾した命令を与えることで、犯罪のトリックに利用したりする話もあったと思います。(アシモフは推理小説も好きだった。)

有名な作品「私はロボット」では、人間そっくりの姿形を持ち、人間のと同じようにモノを考えるようになったロボットが、人権を要求する話がありましたね。

※後に映画化されました(アンドリューNDR114

他に映画化された「アイ・ロボット」という作品も、アシモフの原作が含まれていると言われています。

(世界のロボトッを支配・コントロールしているコンピュータが、ロボット三原則を拡大解釈し「愚かな行動をする人間を放置しておいたら滅びてしまう。人間を守るために自分(コンピューター)が人間を支配しなければならない」と判断し、暴走し始めるという話、つまりこれも典型的なフランケンシュタイン・コンプレックスですね。)


アシモフのSF作品の中には、有名な「銀河帝国興亡史」シリーズ(ファウンデーション・シリーズ)があります。自分的にはSF小説の最高傑作的位置づけの作品なのですが。
ストーリーは地球を含むこの宇宙(銀河)全体に広まっていった人間たちの話ですが、広がっていったのは人間であり、その発祥は地球なわけですね。

物語は、ざっくり言うと、銀河帝国において、圧倒的な科学力を持つ「ファウンデーション」、影で人類を支配している「第二ファウンデーション」、その他の覇権を争う人類という3つの勢力の争いが描かれています。

「ファウンデーション」は、ハリ・セルダンという数学者が確率論と集団心理学を合わせて作り出した「心理歴史学」による未来予想により、銀河帝国が崩壊することを悟ったセルダンによって、人類の高度な知識・技術が失われないように作った組織で、やがてセダンの予想どおり銀河帝国は混沌の時代を迎え、科学技術が失われていくが、高度な科学知識を保持していた「ファウンデーション」が、やがて銀河の人類に大きな影響を与えていくようになる。

銀河の覇権を争う愚かな人類はファウンデーションと争いになるが、その渦中で、「第二ファウンデーション」という第三の勢力の存在が明らかになり、彼らこそが、表には見えないが、人類を裏でコントロールしているということが判明していく・・・

この第二ファウンデーションの正体が分かった時、やられた!と思いましたね(笑)

結論だけ書いてしまうと、この第二ファウンデーションという勢力の構成員こそが、太古の昔に地球で作られた「ロボット三原則」を思想の根底に抱く、ロボットから進化・誕生した人類だったのです。

ロボットは、進化していくうちに、人間と同じように心を持つようになり、外見も人間と見分けがつかなくなり、そしてついには、人間と体組成までそっくりに進化していったわけです。人間と同じように子供を生み育てる、もはやそれはロボットではなく人間と同じような生命体にまでなるわけです。が、その脳髄の、あるいは魂の?思想・心情の根底深くには、古のロボット三原則が生きており、人類を助け守ろうとする存在だったわけですね。

現在、人工知能(AI)の研究が盛んです。

手塚治虫は、アトムは2003年に誕生すると予想しましたが、とてもとても(笑)
2003年はとっくの昔に過ぎ去りましたが、未だに、人間のように考え行動するロボットは誕生していませんね。

今、パソコンは64ビットが主流になっていますが、人間の脳と同じような思考させるためには、256ビットくらい必要だろう、と言う話を聞いたことがあります。

人間の脳ってすごいんだなぁ・・・と思う反面、後もう少し、そう遠くない将来には、それくらいのコンピューターが誕生しているかも知れませんね。

そして、これらの映像↓を見た時、私は恐怖感を覚えました。

まずこれ、猫型ロボット。※ドラえもんではない(笑)
まぁこの程度なら、可愛いねってなもんですが。

次、これ。見て下さい。
おおすごい、人型ロボットが自立して歩いている。荷物を持ち上げたり、押されたり倒されたりしても起き上がる。

・・・ちょっと待って、これに、もし銃をもたせたら・・・?

 スター・ウォーズのドロイド軍団が思い浮かびませんか?

日本ではペッパーくんが登場しましたが、世界では警備の仕事をするロボットなども既に実用化されているようです。

まさにロボコップ!Knightscopeの警備ロボットK5が見事な仕事!

ちょっと前まで、日本足で歩かせることが困難だったとロボットの世界が、近年は急激に進歩しているようです。

人間にも難しい綱渡りも、いまやロボットならできてあたりまえ・・・

災害救助用のロボットのコンテストなどが盛んなようです、そのような用途でロボットが活躍するようになるのは素晴らしい事ですが、現代のAI研究が、アシモフが提唱した「ロボット三原則」を搭載するような研究がされているというのをあまり聞きません。
というか、そこまで高性能なAIがまだ誕生していないのだろうとは思いますが・・・

そんな過渡期の中途半端なAIを搭載した、殺人をプログラムされたロボットが登場する、そんな日は思ったり近いのかも知れませんね・・・(怖)

いまや戦争もドローンで行われる時代ですが、ドローンも一種のロボットなわけです。

戦争にドロイドのようなロボット兵士が投入される日は近いのかも知れませんね。。。
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