下図はナットの溝と弦の断面図ですが、これが一番一般的な溝の形状になるでしょうか。
このようなタイプのヤスリを使うとこの形になります。ギター専用工具なので、弦の太さに合わせて各種揃っていますので、これが使われる事が多いのでしょう。
こちらも一般的です、レビューを探るとHOSCOより魚地球印精密ヤスリ(株)製のほうがやや質が良い?(私はHOSCOの方が好きかも。)
専用工具だけあってとても使いやすいです。
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実用上は大して問題になるレベルではない、というより細い弦張ったからって、何の問題もないですけどね、実際は。
弦の太さに合わせてピッタリの幅に刻むのが基本ですから、細い弦は入りますが太い弦は・・・無理やりねじ込むと多少は入りますが、あまり良い状態ではありませんね。
次の形状は、溝の底部が丸くなっているタイプ。
これが一番理想的な溝の形状なのかも知れません。
これだと細い弦を張っても弦が中心に安定することが期待できますね。
太い弦を入れると無理があるのは同じ。
ただ問題は、丸い棒ヤスリがないとこの形状にはできません。弦の太さに合った太さの丸棒ヤスリが、あれば可能なのですが・・・
ホームセンターなどに売っている丸棒やすりは、テーパーが付いていますので、どうやっても平行な溝は作れません。
先端から末端まで同じ太さの棒ヤスリが必要なわけですが、そういうのはなかなか見かけません。
と思ったら、GuitarWorksさんに売っていますね。
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考えてみれば、ギターの高音弦に匹敵するような極細の棒(というかもはやワイヤー)にヤスリのようにギザギザを刻むのは困難でしょうから、当然ですね・・・。
「先端に行くほど細くなっている、テーパー上の丸棒ヤスリが一本あれば、自分の必要な太さの溝が切れて便利です。」なんて書いてある記事も見かけた事がありますが、実際にやってみたらとても難しいでしょう。
このような事を書いた人は、ベースギターの低音弦等を想定しているのでしょうかね?
ギターの高音弦の太さだと・・・自分の手先の加減だけで、0.1mm単位の溝を削り分けるなんて・・・30年くらい修行したらできるようになるかも?(笑)
仮にそこまで繊細にヤスリをコントロールできたとして、しかしテーパーのついたヤスリで削ればテーパー上の溝にしかなりません。
ナットの中で、弦の入り口部分だけピッタリの太さに合わせて、出口側は広がっていてもいいと考えるなら、ヘッド側からヤスリを当てるようにすれば、理論上は可能か・・・・。
ノギスで正確に測って、ヤスリの必要な太さの位置にマーキングして、それ以上は使わないようにすれば・・・・
0.1mm単位の精度なんて、やっぱり不可能では?(笑)
そうまでするより上記の専用ヤスリを買ったほうが早いし簡単だと思いますが・・・
まぁ、丸くなっていれば底に必ず落ち着くという事にして、多少太い溝になっても気にしないでも、そんなに問題はないかも知れませんが(笑)
問題は、指板面(またはフレット)からの弦の距離さえきちんと合っていれば。
古い木製のナットの楽器などは、溝削れちゃって広がっちゃってるのも多いでしょうしね。
次は、V字型の溝
断面が三角形になっている棒ヤスリを使えば簡単に切れます。
多少太さが違う弦を張ってもさほど問題がないのが良いところ。
デメリットは弦とナットの接触面積は(丸棒タイプに比べれば)やや劣るのと、丸タイプや平タイプに比べてやや深く切り込む必要がある事。(どちらも大した問題ではない。)
それより、厳密に言えば、前2つの溝形状と違って、弦の太さが変わると弦高が変わってしまうので、そっちのほうが問題かも?(それもまぁ気にしないなら実用上は問題ない事ではありますが。)
このV字型の溝はかなり扱いやすく安定しているので、あんまり細かく考えない大胆な方にお勧めです。
その参へつづく
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