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ナットの溝切り調整の話 その1 (弦高を下げる)

エレキギター
ナットの溝切りの話

ギターの場合、フレットがあるせいで、オクターブチューニングの調整が必要になります。

このオクターブ調整というのは何かというと、弦を押さえる(=その分弦が引っ張られる)事によって音程にズレが生じてしまうのを補正するものです。(フレットの無い楽器の場合は押さえる位置を変えれば済む話なのですが。)

下図はナット付近の拡大図ですが


この図中のAの寸法が、小さいほど良いという事になります。

極端にナットを高くしてみると分かりやすいと思います(笑)


弦を指板に押さえるという事は、わずかですがチョーキングしているのと同じ事ですから、例えば上の右の図では、弦を押さえつける距離が長いため、左よりも音程がシャープしてしまうのは理解できると思います。

このナットからフレットまでの落差Aの寸法が、大きければ大きいほど音程のズレは大きく、押さえるのにも大きな力が必要になります。小さければ、押さえる力も少なく音程のズレも小さく、弾きやすいギターという事になります。

Aの数値は理論的にはゼロでなければならないはずですが、本当にゼロにしてしまうとフレットに接触してしまいますから現実には無理ですので、弦の振幅分は離さざるを得ません。
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弦高の調整は、ナットの(溝の)高さとブリッジ(サドル)の高さで行います。

ナット側の理想的な高さはどれくらいかと言うと、フレットの高さ分であると言う考え方ができます。そう考えると、0フレットがあるギターの意味が分かってきますね。(その辺はその四でも書いています。)


ナットが高い=弦がフレットから離れているほど、押さえたときに音程が上がってしまう事になるわけです。

その分、フレットの位置をズラす事で調整する必要があります。

これがオクターブチューニングの正体という事になります。

要するに、解放弦の状態の音程と、弦を押さえた時の音程が微妙にずれる事を補正するわけです。

(現実にはナット側は固定されていることが多いため、ブリッジ側のみでしか弦高の調整はしないわけですが、上の図の通り、本当はナットと1フレットまでの距離も適正に調整したほうが、音程的にはより理想に近くなります。)

弦高や弦の種類が変われば、音程のズレ具合が変わりますので、その都度の再調整が必要になります。

プロは弦を交換するたびにオクターブチューニングをすると言われるのはそのせいなのですね。

スチールギターなどのようにボトルネック奏法なら弦を押さえつけないので、より理想に近いかも知れませんが・・・それならばフレットは必要ないですが・・・フレットレスな楽器は、押さえる指の位置を調整する事で正確な音程を出せますが、絶対音感がないと大変ですね。

フレットがあれば(正確に設計されていれば)誰でも押さえるだけで正しい音程が出るので、よりイージーに弾ける楽器になるわけです。しかし、弦高が適切でない「雑」な作りの安物も多いため、「フレットを付けたがために音痴になる」というジレンマを抱える事になったわけですね。

精密に設計・調整されたフレット付の楽器ならば音程もバッチリになりますが、フレットレスな楽器よりはるかに高い加工精度が要求され、結果、価格に跳ね返ってくる事になるわけですね。


アコースティック・ギターの場合はブリッジもナットも調整機構がない物が多いですが、エレキギターなどの近代的なギターならばブリッジ側は調整できるようになっているものが多いです。

が、そういえば・・・

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ナット側の調整機構というのは見たことがないですね。

前述のように、ブリッジ側だけでなく、理想を言えば、ナット側もズラして調整すべきなんですが。

こんだけ色々工夫されているエレキギターの世界、ナットも調整できるようなものが考案されててもおかしくはないと思うのですが。一度決めてしまえばあとはそれほど調整する必要のないパーツだからですかね。

バズ・フェイトンなどはナットを改造することでその辺を調整しているようですが、なかなかプレイヤーが自分で調整するようなものではないですね。

ナットの改造となると敷居が高いですが、ストリングピローというナットのすぐ下に挟み込むパーツもあります、とてもイージーに調整できるすぐれものです、これについては別の記事で書きたいと思いますが、、、

今回の主題は、ナットの溝を削って、ナット側弦高をできるだけ低く調整すること。

これは、実はものすごく大切な事だと思うのです。

弦高が高い、弾きにくい、と言ってブリッジを調整するとか、ネックジョイントにシムを挟むなんてことをするより先に、まずここを調整するべきだと思うのですが。

実際、市販のギターでは、ナットが妙に高くなっているギターが多いです。

ブリッジ側で弦高をいくら低くしても、これでは弾きにくいし、チューニングもズレが大きい。


しかし、そう言われても、なかなかナットの調整と言うのは自分でやるメンテナンスの範囲ではないかも知れません。

私も初心者の頃、興味本位に削ってしまい、リペアショップに修理に出す羽目になった事があります(笑)

基本的には、ナット部での弦高は、限界ギリギリ、極限まで下げたい。

それが弾きやすいし音程も安定することになります。

が、開放弦を鳴らしてもビビってしまうほど削ってしまうと、やりすぎ(笑)

実は低くなりすぎてしまった場合でも、簡単にできる対処方法がありますが、初心者だった頃は知らなかったので、泣きながら楽器屋さんに持って行った記憶があります(笑)

高級ギターはやはりプロに任せたほうが良いかも知れませんが、自分でチャレンジできるギターがある人は試してみても面白いと思います。(もちろん自己責任でお願いしますが・笑)

ナットの溝切り調整 その2 へ続く



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