借金をしている人は信用がないは間違い

昔、勤めていたとある会社の社長が

「借金する必要ないのにあえてしている」

と言っていました。

この会社には諸事情で短期間しか居ませんでしたが色々と勉強させて頂きました。

その社長曰く、会社は本当は借金（銀行から融資）など受けなくてもやっていけるだけの資金があるが、信用を得るために、あえて借りているのだそうで。

借金は一括で返すと何の信用にもならないのだそうで。

借りて、一度も遅延することなく安定して返し続けている人が、貸した側については大変信用のおける良いお客様であると言うことですね。

考えてみれば、貸した側は、利息で儲けているわけですから、返さないのは困りますが、すぐ返されるのも、儲からないので困るわけですね。

いざとなったら貸した金を全額即時回収できるだけの資産を持っていて、借りてくれて安定して返してくれる客は、お得意様───言い換えればイイカモと言うことですが。

要するに、前述の社長は、銀行に利息を上納し続けて、信用を貰っているということですね。

取引先が大手銀行系グループなので、そこから仕事を貰うためにやっているということでしたが。

例えば、何か事業を始めようと思った時、銀行なりなんなりから金を借りて始めたい。

しかし、貯金もない、社会経験も取引実績もない、家土地など資産も何も持っていない、そんな人間が突然銀行に行って、成功するかどうか分からない商売をしたいから貸してくれと言ったところで、貸してくれるわけがないですよね。

銀行側も、回収できない相手には絶対貸しませんから。よくよく調べて、信用と見込みがあると認められた人間しか融資は受けられない。

銀行でなくても同じですね。

つまり、たくさん借金して事業を起こしました、自分は借金抱えて大変です。と言う人は、実は、それなりに社会的信用がある人物だと言うことなんですよね。

社会的信用がない人は、借金すらできないわけです。。。

時々、借金など縁遠い善良な一般庶民の方々が多いですが、「借金はとにかく良くない」と言う人が居ます。

「借金等あるなら、とにかくすぐ返しなさい、貸してる人が困ってるだろう」などと言う人がいるのです。

例えば、奨学金とか。奨学金（と言う名の学資ローンですが）を借りて学校に行き、卒業して就職後、遅延もなく順調に予定通り返済を続けている、と言う人を「奨学金を返さない奴が多くて社会問題になっている」などと非難する人がたまに居るらしいのです。。。

しかし、遅延なく順調に返しているなら、その状態を維持するのが、貸し手にとってもありがたい話ですね。

「借金」はとにかく良くない、と言う思い込みは間違い、と言う話でした。。。