クリス/インペリテリというロックギタリストが居ますが
やっぱ好きだなぁ・・・
※ImpellitteriオフィシャルHPより
「速弾き」を堂々と正面切って武器にした最初のギタリストだった気がします。
当時、イングヴェイ・マルムスティーンが有名でしたが、本人は "速さ" だけを武器としていたわけではないはず。
彼はジミー・ヘンドリックスやリッチー・ブラックモアに影響を受けていたわけで、二人とも超絶上手いのは確かですが、「超高速」というほど、記録を来そうような「速さ」を売りにしていたわけでもなし。むしろ圧倒的・独創的な「音楽性」がずば抜けていたわけで。
イングヴェイの「速弾き」が注目され、また批判されていた頃、音大に行っていた友人に聞かせてみたことがあるのですが、「別に、それほど速くないじゃ?クラシックならこれくらい当たり前に弾くフレーズだよね」と言われたことが(笑)
イングヴェイはクラシック音楽の大国スウェーデン出身で、両親も音楽家であり、クラシック音楽が一日中流れている国であったことから、クラシックに強く影響をうけているのは当然のことで。クラシック音楽のテイストを武器にしていた、というよりは、それが出るのは自然な事でしかなかったわけですよね。
しかし、その後、本当に、純然たる「速さ」を堂々と売りにしたギタリストが登場、その最初がクリス・インペリテリだった気がします。
その後、他にも「速さ」が売りのギタリストが現れ、ギネス記録を競うかのような時代になってしまい(笑)
「速けりゃいいってもんじゃない」「音楽性が大事なんだ」という批判は、イングヴェイのものではなくなってしまいました(笑)
インタビューで、インペリテリ本人も、若い頃、「とにかく誰よりも速く弾く事に拘っていた」と言っていました。
※その後、もっと速く弾くギタリストが出てきましたが、もうその頃にはインペリテリが速弾きに拘る理由もなくなっていたのではないかと思います。
もはや、ギネスを競うような高速の速弾きギタリスト達は、完全に違う独特のジャンルとなってしまい、特に批判や批評の対象ではなくなりましたね。
多分、イングヴェイを批判していたギタリスト達も、批判したかったわけでなく、「速弾きはどうですか?」みたいに訊かれるから、「いや、大事なのは音楽性だよ」と言っていただけな気がしますね、今となっては(笑)
余談ですが、インペリテリはデビュー当時、イングヴェイのシグネチャーモデルのストラトキャスターを(イングヴェイのサイン部分だけ削って)使っていましたよね(^^;)
彼もまた、イングヴェイに影響を受けた一人だったのだと思います。
しかし、インペリテリの演奏スタイルは、正直、「速く弾いても意味ない」と言う批判の意味が理解できるものでした。
あまりに早すぎて、何を弾いているのかフレーズははっきりと聞こえてこない。。。まるでドリルの音を聞かされているような?(でもその雰囲気は、それはそれでパワフルでよかったのですが・笑)
珍しくレスポールを弾いているインペリテリ
若かりし頃、ちょっと興味があってインペリテリの教則ビデオを買ってみたのですが
どうやら彼は超高速フレーズの部分は、3音ずつの繰り返しフレーズを機械的に並べて弾いているだけだったようで。
同じ3音を2回・3回と繰り返し、次の弦の3音へ移動、と言う感じ。
なるほど。とはいえ、真似しようと思っても、どうがんばってもできそうにないほど高速でしたが。。。
逆に言えば、なにか美しいメロディ・フレーズを聴かせようという意図はなかったんですね(^^;)
もう彼の教則ビデオは手に入らないかな?
VHSのビデオは今でも本棚にあるけれど、VHSのビデオデッキもかろうじて残っているけれど、配線してない・・・(笑)
ニコ動で「クリス・インペリテリ」「Speed Soloing」で検索したら残ってるようですが・・・コメントが笑える・・・
確かに速い、奇人変人・超人レベルで速い。でもそれは、音楽ではなくね?(^m^;)
インペリテリの教則ビデオ、買って良かったですね。色々と、目から鱗、学ぶことが多かったです。
彼は、速く弾くために独特の工夫を色々していまして。
例えば左手の親指の位置。ロックスタイルではネックを握るように弾く、親指は6弦側の上に出てくる形になります。手がでかい人は6弦側から6弦・5弦を親指で押さえたりできる人もいますね。
クラシックスタイルでは、親指はネックの真裏あたりに来ます。
ところが、インペリテリは、親指が1弦の裏あたり、というか、もうネックの横(下側)、1弦の横あたりまで来ています・・・!Σ(^^)
これ、知ってから、すごい演奏の幅(左手の自由度)が広がりました(^^;)
6弦の上から握るようにするスタイルも使いますが、必要に応じて、1弦側の下まで移動できます。(実際、インペリテリも必要に応じて握ったり、下に行ったりしてますね。)
それから、ピッキング。彼はどうも、手首を浮かせて前腕を振るようにして弾いているように見えます。
「速弾きするのに腕を振るのはよくない」と言う人が非常に多いようですが・・・
ヴァン・ヘイレンなどのハミングバード・ピッキングが有名ですが、あれは、前腕は動かさず手首のひねりだけで弾いているように見えます。が、その方式だと、意外と回転が遅いですよね・・・
実際にヴァン・ヘイレンの演奏をもう一度聴いてみると、意外と遅い・・・(^^;)
実際にやってみて分かったのは、インペリテリのような超高速トレモロピッキングを行うには、手首は半固定くらいで、前腕ごと降ったほうが速いということ。。。
自分的には、長くやっていてつくづく思うのは、腕を固定して手首で弾くのは絶対ダメ、ということなんですが。(反論はあるかも知れませんが。まぁ色々な主張があると思いますので、個人の一意見ということで。)
ま、結局、インペリテリのような速弾きはとうとう身につきませんでしたけどね(他にも何も身についてない、下手の横好きというやつですな)
「速く弾いても音楽性がない」とは言え、彼の速弾きには、独特の迫力・緊張感があると思います。
インタビューで彼は、すべての音をピッキングする事にこだわっていた、と言っていたと思います。
メタルピックを使用して(と記憶しているのですが)、力任せにゴリゴリ高速トレモロピッキング状態で、その緊張感が出るのかと思います。
※ただ、どうしても分からなかったのは、ほとんど動いているように見えない押弦・・・本当に微かに押さえているだけなのかも知れませんが、どうやってもあの速度で押弦できませんね。
何かまだ秘密があるのでしょうか・・・・(?_?;)
聞き取れないほどの高速のトリルフレーズ、さすがにそれは音楽性がない、とは書きましたが・・・
でも、インペリテリの演奏は、ゆっくり弾いた時に素晴らしいと思うのですよね。
速く弾けるということは、ゆっくり弾いても楽に滑らかに高度なテクニックが使えるということですからね、その安定して滑らかに流れるフレーズも心地よし。。。
音楽性の少ない機械的なトレーニングであっても、それによって表現の自由度が高まれば、音楽的な事をやりたい時にメリットが大きいという効果があるわけですね。
そしては、センスはとても良い。その中で、時折速く弾く部分を入れても、スパイスとしてエレキギタリストにとってはとても美味しいと思うし。
メロディとリフのセンスも抜群。
インペリテリをメジャーにした代表曲「スタンド・イン・ライン」
リフがとにかく格好良いですよね!
ソロ部分は残念ながらこれでもかというドリルの音状態ですが・・・(^^;)
それでも合間合間にロングトーンやシンコペーションを挟んでセンスの良さが伺えます。
こんなのあった(^^;)
いまは若い女の子もインペリテリくらい弾くんですねぇ
・・・カッコいい(^o^;)
ギターソロのところで座っていますが、インペリテリ自身も座っていますね。ギターを固定する必要があるからなんだろうか・・・?
コメント
>イングヴェイの「速弾き」が注目され、また批判されていた頃、音大に行っていた友人に聞かせてみたことがあるのですが、「別に、それほど速くないじゃ?クラシックならこれくらい当たり前に弾くフレーズだよね」と言われたことが(笑)
イングウェイ並の速さで弾く必要のある曲なんて、クラシックの世界でも全く当たり前じゃないんだけども
リストやパガニーニの曲ですらイングウェイほど速いパッセージは無いと思うが
この友人とやらは本当に実在するのか
実在するとして、本当に音大に通っていたのか
真実は闇の中である
ピアニストですから、その友人は(笑)
ピアノ曲ならまあ、ねぇ。