令和になり、天皇陛下の即位の儀の映像が中継されましたが、各テレビ局とも、この映像を見ながら、男性皇族が少ないことを指摘し、女性宮家創設の必要性を訴えるようなコメントが多くありました。 しかし、女系天皇については、根強い反対意見があります。 そういうことにはほとんど触れられておりませんでした。 (淡々とニュートラルに、そういう議論もあるという報道なら良いのですが、女性宮家を創設すべき、というようなニュアンスでのコメントが多くて、報道の姿勢としてはどうかと思いますが。)
男尊女卑だという批判があるようですが、そもそも、日本には歴史上、女性の天皇が10人も居りましたので、女性が天皇になれないというような批判は的を外している議論のようです。
米紙が批評 女性・女系天皇を認めていない日本は男女不平等
女性皇族めぐる報道相次ぐ=「不平等」「存続の危機」-米 ▼記事によると… ・天皇陛下の即位は米国の報道でも大き……snjpn.net
そもそも、米国には未だに女性の大統領は誕生していませんし、ローマ法王も女性は居ない、そのような人々に口出しされるいわれはないだろうという反論も(笑)
反対派の意見としては、別に、男尊女卑でそうなっているわけではない、と言う事のようです。 女性天皇と女系天皇は違う、ということのようです。 女系天皇と女性天皇の違いとは? 遺伝子的な説明が、分かりやすいようです。 人間の場合は、女性は「XX」、男性は「XY」という染色体の組み合わせで性別が決まるそうです。 子供は、母親の「XX」からXをひとつ、父親の「XY」からX・Yのどちらか一つを受け継ぐ。 父親からXを受け継げば女性に、Yを受け継げば男性になるわけです。 ここで、初代天皇の染色体「XY」を、「X1」「Y1」、母親の染色体を「Xa」「Xb」とします。 その子供が男性であった場合、確実に父親の「Y1」を受け継いでいる事になる。 「XaY1」または「XbY1」 子供が女性だった場合は、「XaX1」または「XbX1」となります。 この子供は、女性であっても、確実に父親の染色体X1を受け継いでいます。 この女性が「XaX1」だったして、子供を生んだ場合、父親は外から来た別の部族の人であったとして、その男性の染色体を「Xz」「Yz」と仮にすると その子供は男の子であれば、「XaYz」または「X1Yz」 女の子であれば、「XaXz」「X1Xz」となります。 ここで、初代天皇のX1を受け継いでいれば良いですが、もし子供が「XaYz」または「XaXz」だった場合・・・ 初代天皇の遺伝子が受け継がれていない、という状況が起こりうるわけですね。 つまり、天皇家に生まれた女の子であった場合に、その子供は、祖父の天皇の遺伝子を受け継いでいない、別の部族、種族の人間になってしまう可能性がある、というわけです。 男性に限定して継承されている限りは、初代天皇のY1遺伝子が確実に継承されていっていると言う事が言えるわけです。 なるほど、男性に限って継承され続けてきた天皇の系譜というのは、初代天皇まで確実に繋がっていると言える、ある種のロマンがありますね。
女性と女系の違いは何か? 上記の例で、天皇の子供が女の子であった場合でも、天皇の遺伝子を受け継いでいるので、実はこの女の子は天皇になる資格がある、ということのようです。 つまり、女性が天皇になれないということではない(男系の女性天皇)。 しかし、その女の子の子供には、皇位の継承権がない(女系)、と言う意味なのですね。
興味深いのは、遺伝子の仕組みが解明された現代だからこの理屈が理解できるわけですが、太古の昔、そのような事は知られていなかったはずなのですが、それでも男系を守り続けたのはなぜなのでしょうね? これは、日本だけでなく、海外でも同様の事例は多く見られるようです。ローマ法王だって男性ですしね。男性が社会的に高い地位に付きやすい理由というのは色々あるのでしょうが、それはまた違う話になりそうなので別の機会に考えたいと思います(笑)
この議論、色々おもしろい切り口があるなと思います。例えば他にも、男系天皇というのは、実は「男尊女卑ではなく、男性排除のシステムなのだ」という意見がありました。 なるほど、初代天皇から続く「Y1」遺伝子が絶対であるということは、他のY遺伝子は入り込む余地がない、つまり、女性は他の部族からも入れるが、他の部族の男性は絶対に入り込む余地がない、初代天皇一族による、独占体制だということですね。
しかしそもそも、科学的に見た場合に、性染色体だけが先代からのDNAを受け継いでいるわけではないはずなわけで。他にも遺伝情報を受け継いでいる染色体はあるはずだと思うのですが。 ならば、性染色体にこだわる解説も、実はこじつけでしかないとも言えるわけです。(太古の昔に性染色体なんて知られていなかったわけですしね。) では、なぜ男系に拘る人が多いのか・・・ 個人的には、これはロマンなんじゃないのかな?と思ったりも(^^;) 今年は皇紀2679年、あと21年で2700年です。日本は、初代天皇から数えて2700年も長く続く、世界最古の国なのだとか。 他の国も歴史はあるだろうと思いますが、政変で、どの国も途中で支配者(王)が変わっているのだとか。 単一の王朝がこれほど長く続いている国は、世界中を探しても日本だけなのだとか。 (米国はいまだ建国して250年経っておりません、中国も戦後建国された国ですから80年に満たない歴史しかない国であるとも言えるわけです。) 初代天皇、神武天皇が日本を建国したと言われておりますが、これは単なる伝説で、神武天皇は実在しなかったのではないか?と言う主張をする人も多いようですが、もはや太古の昔の話、真実は分かりませんし、どうでも良いことですね。 仮に存在したとして、その家系図が残っていたとしても、それほど昔の記録ということになると、本当にその記録が本物なのか、確認しようもなく、必ず実在しなかったんじゃないの?と言う人間が出てくると思いますので。 つまり、伝説になるほど、長い歴史がある、と言う事が、ある種の誇りであり、ロマンなのではないかと。 確かに、途中で、全然違う人種・種族(遺伝子)に入れ替わってしまっている可能性があると言われると、せっかく長く続いた歴史が、少しもったいないような気がして、抵抗感があるのは理解できますね。
今回の元号改正の国民の反応を見て、思った以上に、日本国民に皇室は愛されているなというのが分かりました。 これは、皇室(王室)がある国の、根幹にある団結力に繋がると思うのです。 世界を見てみた時、王室が残っている国は、あくまで私見にすぎませんが、根幹にしっかりしとした芯があるような気がするのです。 王室を残さず、完全な民主主義で全てを決める体制になった国は、まとまりがなくバラバラな印象を受けます(失礼) それはそうでしょう、人間が集まれば、絶対に意見の相違が出ます。10人いたら考え方も10通り、そして誰もが自分が正しいと思って譲らず、いくつかにはまとめることはできても、一つになんかまとまるわけがないのですから。 これは、理屈じゃないんだと思います。 理屈やイデオロギーではない部分で、誰か、一つにまとめる、束ねる存在というものが、人間には必要なのかなと思うのですよね。 政治的・宗教的理念とは離れて、単なる象徴であっても、王のような、親のような、束ねる存在があると、人間は安定するのかも、と思ったり。。。
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