ボクシング世界タイトルマッチ(村田諒太vsアッサン・エンダム)の判定が話題になっておりますが・・・ 村田が圧倒していた、村田の勝ちだったという意見の人もあるようですが、私は個人的には、判定は難しいところだなぁと思いました。 テンプルや顎にクリーンヒットしてるのに、打たれた方が全然グラつく様子もなく意に介さない様子の選手と、当たり損ねやガードの上からのパンチなのに苦しそうな表情でグラつく選手との対戦だったりすると・・・。 グラつく選手は、効いているように見えますが、実は倒れ込みながら衝撃を逃している、さながら酔拳のような技だったりするかも知れないわけで(笑) 派手にふらつくのが「技術」だったりすると、判断が難しい(笑) 「ガードの上からのパンチ」を評価するか(減点するか)しないかは、ジャッジの考え方次第・・・ まぁ一般的にはグラついているほうが印象が悪くなる事が多いわけですが・・・ 同じブロックしたにしても、フラつきながらブロックするのと、堂々と受けて弾くのとでは印象が違ってくるわけですね。
ちなみに、そもそも、相手の圧に押されて下がりながら攻撃を受け止めるブロックは、かろうじて防いでいるだけの最低な防御の状態ですね。 防御は、単に亀になって相手の打撃をまともに受けとめるのではなく、 「相手の攻撃の破壊力を減少させ」 「自分の有利な位置へ移動」 「相手の次の攻撃を封じ」 「相手の体制を崩し」 「自分の次の攻撃の準備」 と言うことを同時に一瞬でやらないと勝てないわけです(笑) これは、打撃系の格闘技に限らず、あらゆるスポーツに共通する技術ですね
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ちなみに、たとえガードの上からでも、まったく"見えてない"攻撃を受けてしまうと、KOされないまでもかなりの衝撃を受け体勢が崩れます(笑) (ガードに力が入ってませんからね) 逆に、ガードすると同時に踏み込んで相手の攻撃を潰すと相手が体制を崩します。(結構得意技でしたが、練習で使うと思いの他危険なので封印させられていました。相手が吹っ飛んで壁や柱に激突して怪我をしてしまったり、相手の蹴り足を肘で迎撃してヒビを入れてしまったことも・・・) 「振り下ろす刃の下こそ地獄なり、一歩踏み出せされば極楽」 これはボクシングなどの打撃系格闘技でも同じなんですよね、本当は。 ※この技術でカムバック後に大活躍したのがジョージ・フォアマンというボクサーだったとか
「ブロック」よりもっと良いのは 相手の攻撃を「捌く」事。 ※相手の攻撃の軌道を逸しなおかつ相手の体制を崩し自分に有利な位置・体制を取ることができる、ある意味極意技ですね。 しかしこれを実現するには、相手の攻撃を見切る能力が必要になります。 相手の攻撃を捌くわけですから、先に攻撃を仕掛けるのは相手なわけで、その機を捉え損なうと、そのまま攻撃を受けてしまうことになるわけですから。 さらにもっと良いのは相手の攻撃のあわせたカウンター それよりもっと良いのは、相手の攻撃が発する瞬間を潰して攻撃をしかけること(多分剣道で言う後の先というやつですかね?) 相手が動き出す前に、相手が動こうと思ったその瞬間を捉えられれば、指一本で相手の動きを封じる事ができます。 動こうと思った瞬間、まだ自分の手が動き出す前にその手を先に押さえられてしまうと、一瞬頭がパニックになって思考停止(動作停止)になってしまいます。 そこまでいくと達人の領域ですが。
合気道で言うと触れずに投げる系の領域ですね。 以前、触れずに投げるみたいな事をやっていた合気道の師匠についていた時期があるのですが 触れずに投げられてしまう人というのは、相性とか条件があって、私はほとんどかからなかったのですが、それでも、触れ合ったらまったく抵抗できませんでした。 例えるなら、腕を右に動かそうと思った瞬間に、自分が動き出すより先に右に腕を動かされてしまうみたいな感じです。 抵抗しようとして違う方向に腕を動かそうとしても、一瞬早く動かそうと思った方向に先に動かされてしまうという・・・ まったく力を入れる事もできず、抵抗できずに振り回されて倒されてしまいます。 「それ、どうやったらできるようになるんですか?」と師に訪ねてみたところ・・・ 「相手が動く前に相手の心が読めればできる」 と・・・ できるかいっ!!(^^;) 「それはどうやったら読めるようになるんですか?」と尋ねたら・・・ 「60~70歳になればできる」 と言われました・・・ 待ってられるかい!(笑) というわけで、私は合気道をやめ空手に戻り、誰でもできる技を編み出しました。 それは・・・ ブロックと捌くの中間=半分ブロックしながら半分捌きます。 これは簡単で便利、誰でもできます(笑) 正直、出血大サービスの大ヒントですが(笑) ただこれ、達人の領域ではなく、誰でもできる「工夫」「技術」ですね
達人の到達した磨き抜かれた神業の境地も凄いですが。 工夫や技術であればこそ、誰でもできる。それが人間の知恵と言うもの。 技術・工夫・知恵、それも私は好きです(笑) よく「知らない技は防御できない」といわれます。 達人と言われる人が、新しい技術にあっさり敗れてしまうこともあります。 (真の達人であれば敗れることはないですけどね) しかし、やればやるほど、色々なアイデアが出るのが人間の知恵というもので。 新しい技術が出てくる。 その技を防ぐ工夫を考える。 どこまで行ってもイタチごっこ。 将棋の先の読みあいみたいなものですね。 際限がありません。
そのうち、総合格闘技の時代が来て・・・ 私もブラジリアン柔術を学びましたが、そこで、これは無理だと悟りました(笑) 一つの競技だけなら、一生かけて極めることも出来るかもしれませんが、その他の競技、すべての技術を一人の人間が身につけるのは不可能だと(笑) そうこうしているうちに、肉体の衰えが思いの外早く、肉体が儚いものだと気づいてしまったので、格闘技への興味を急速に失っていきましたね・・・
簡単に壊れる、一度壊れれば治らない、壊れなくともあっという間に朽ち滅びる、物質の肉体は本当に儚い・・・ そうではなく、もっと不滅的・普遍的な価値を求めたいと思うようになりました 格闘技の鍛錬の一環としてやっていた「物質ではない別の身体の鍛錬」に価値を見出すようになったわけです。 まぁ、振り返ってみると、相も変わらず、よくある道程を歩んでいる凡人だと思います(笑)
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