今日、6÷2(1+2)の答えは 1 なのか 9 なのか?という質問をされた。
なるほど、検索してみると、ネットで熱く議論されていたようで。
※ちょっと古い話題のようで、いや、ちょっとどころか相当?(笑)
パッと見た瞬間の自分の答えは 1
その後ゆっくり検証してみたけど、やっぱり 1 ですね。
しかし、話題に乗り遅れた感が強い割には、まだまだネット上には9だとする意見も散見されるようで・・・。
先に結論を。
これは、1 が正解、FAです。
なぜこれを9としてしまう人が居るのかということ、
2(1+2) を 2×(1+2) と勝手に分解してる模様。
6÷2×3 としてしまい、6÷2を先に計算しているようだ。
要するに、A÷B(C+D)という式を、A÷B×(C+D)と表記して良いか?という問題。
乗算除算記号が加算減算記号より優先されるというルールがありますが、もう一つ、乗算記号が省略された場合、省略されたほうを先に計算するというルールがあります。
要するに、計算式の計算の優先順位のルールの誤認ということですね。
(ああ、数学が苦手な人というのは、こういう部分をしっかり覚えてこなかった人なのかも知れませんねぇ・・・(・ω・ ))
正しくは、どうしても×を入れて表記したいならば、A÷{B×(C+D)}とすべきなのです。
計算の優先順位についてもう少し具体的に説明すると
a × b と ab と二種類表記された場合に
ab のほうが a × b より優先順位が高い(先に計算する)、というルールが存在します。
ab / ab は
( a × b ) ÷ ( a × b ) であって
a × b ÷ a × b ではない。
もちろん a × ( b ÷ a × b )でもないし ( a × b ÷ a ) × b でもない。
上記の式に値を当てはめて計算してみれば分かる。
a = 2 , b = 3 とした時、
ab ÷ ab = 1
a×b÷a×b は 9です。
ab ÷ ab = a × b ÷ a × b は間違いで
ab ÷ ab = (a × b) ÷ (a × b) と書くのが正解。
そして、そう表記された場合はカッコ内を先に計算する、というルールになります。
というわけで、「計算のルール(優先順位)で、乗算記号が省略された括弧を先に計算すると決まってる」でFAなんですが。
それでも、
なんか、
ど~~~しても、
屁理屈をこねくりまわしてでも、9が正解だと主張したい人が居るようで(笑)
そのため、こちらも変化球な説得方法を考えてみました。
この答えが1であって9でない理由、それは
だって答えは 7 じゃないから(笑)
中学の数学の授業で
a(b + c) = ab + ac
という法則があるのを教わったと思います。
a(b + c) = ab + ac = a × b + a × c
ですね。これが正しいとするならば(正しいですが)
仮に、6÷2(1+2)の後半部分を 2 × ( 1 + 2 ) と考えた場合
2 × ( 1 + 2 ) = 2 × 3 となります。
しかし、先述の、a(b + c) は ab + ac と書ける法則に当てはめた場合は、
2(1 + 2) = 2 × 1 + 2 × 2 なので、= 2 + 4 となります。
命題6÷2(1+2)の後半を『 2 × 3 』とするか『 2 + 4 』とするかで答えが変わってしまいますね。
9派の人は『 2 × 3 』と考えたので
6 ÷ 2 × 3 = 9 となったということですが
この後半を『 2 + 4 』とすると足し算引き算より掛け算割り算を先に計算するルールが発動して・・・
6 ÷ 2 + 4 = 3 + 4
ということで、答えは「7」 になってしまうじゃないですか(笑)
9派の人も、「6÷2(1+2)」も「6÷2×(1+2)」も、どちらも7にならないのは、理解できますよね?
この場合
6 ÷ 2(1 + 2) は 6 ÷ 2 × 1 + 2 × 2
ではなく
6 ÷ 2(1 + 2) = 6 ÷ (2 × 1 + 2 × 2) = 6 ÷ (2 + 4)
と書くのが正しいわけで。
これが意味するのは、「6÷2より、2(1+2)」を先に計算せよ、というルールがある、という事ですね。
故に
誤 6÷2(1+2) = 3÷2×3 = 9
正 6÷2(1+2) = 6÷(2+4) = 1
でFAです。
『グーグルとエクセルとLinuxで計算させると、全部答えが9になるから、正解は9だ』と言う意見もあるようです
それも違います。
グーグルとエクセルとLinuxの計算機能では、2(1+2) のような入力方法を受け付けないのです。
なので、仕方なく2*(1+2)と入力しているから、それでは計算の順序のルール上、答えは9になる。当たり前。
ちなみに、関数電卓だと、2(1+2)の形が入力できます。それで計算すれば答えは1になります。
関数電卓が正解ってことで、そりゃそうだ、それが間違ったら困りますわな(笑)
この問題で「答えは9」とか力説してると数学が苦手な人なんだなぁ・・・と思われ恥をかくのでやめましょう(笑)
百歩譲って『議論の余地がある』と言うならよしですが、しかし・・・堂々と9を正解だと力説してしまってるこんなサイトもある(これは恥ずかしい・・・笑)ので、ネットの情報を鵜呑みにするのも考えものですね。
いろいろネット上の意見を調べてみると、「問題の出し方が悪い」という意見も多くあるようですが、この問題の式の表記はこの書き方で何の問題もないと私は思います。
中学以降で教わる "代数" の授業をきちんと理解していたなら、迷わず答えられるはず。(小学生には答えられなくても仕方がないか?)
そんな難しい話じゃなくて、掛け算記号の省略ルールがどうだったかを覚えてるかどうかという話なんですけどね。
忘れちゃった人間が「正解は9」などとさも正しいように書いたのが広まってしまっただけ。
しかし・・・「学者の間でも意見が別れる」なんて書かれている・・・(笑)
いやいや、9と答える数学者が居たら、もう数学やめたほうがいいでしょう。
学者でも意見が別れるとマコトシヤカに主張してる人間が居るだけで、実際にそう主張する本当の数学者は居ないのでしょう。
こんな記事を紹介されました。
⇒ 「6÷2(1+2)」問題は100年前にも議論されていた
この記事では、 Lennesという方(数学者?)の1917年の議論の記録のようです。
この問題の論点はただ一点、「2とその後のカッコの間の掛ける記号が省略された場合、それを先に計算する」というルールが存在するかどうか? という事なんですが、
記事によると、「そのルールは明確に定義されていないが、慣習的に存在する」とレニス氏は言っているようです。
そして、よくよく読んでみると、レニス氏はこのルールを否定しているわけではなく、ただ、慣習的に決まったと言っているだけなんですね。そして、「慣習的に決まったルールではあるが、ルールはルールなので、答えは1」だと結論している(笑)
もう一つ、別のアプローチで解決している人を見つけました。
(1+2)=3には異論がないので、6÷2•3を考えてみました。
例えば6を距離[m]、2を速さ[m/秒]とすると、計算の仕方で3の意味が変わりますね。
①(6÷2)×3=9
→ 6mを2m/秒で歩くのを3回繰り返すと9秒かかる。
②6÷(2×3)=1
→ 6mを2m/秒の3倍の速さで歩くと1秒かかる。
結論:×を略すなら÷も分数で表せ
そして
÷を/で書けば絶対に1です↓(`・ω・´)
6/2(1+2) = 1
やっぱり、答えは「1」で良いのではないかと思いますが。
しかし・・・恐ろし・・・・・・『数学の決まりごとでさえも、地域によって異なるものだ』 なんて意見まであった!!(笑)
・・・本当にそう?!?!?!
"数学"に関しては、人の胸三寸で決めた定義によって結果が異なる、というようなものではないと、私は思うのですが。
そこを崩して"定義次第"、としてしまうと、ある国のコンピュータと、別の国のコンピュータで、違う動作をするなんて事が起きてしまうんじゃないですか?
上記の問題などでは、「演算記号を省略した場合、その部分を優先して計算する」というルールを崩してしまえば、そうなるかも知れませんが。
しかし、そこだけを崩して定義すれば、他との整合性がとれなくなるはず。他の影響する全てについて整合性がとれるように再定義するというのなら、表現の仕方が変わっただけ、でしょう。
数学の約束事というのは、こうしようと人間が勝手に定義したものではなく、必ずそうなるという法則を表現しているのだと思うのですが。
りんごは空中に放り投げれば地面に落ちます。
でもそれは
『ニュートンがそう定義したからで、場所が変わればルールも変わる。』
・・・と言う事はないでしょう。。。
いやいや、場所が変われば ---→ 死後の世界 とか 次元の違う世界 とかでは、りんごは落ちずに宙を舞っているかも知れませんね、確かに。。。
しかし、死後の世界には死後の世界のルールがちゃんとあるはず。
ルール無用のなんでもアリの世界なんて、想像したらカオス過ぎます。
ならば、新しい次元の世界に行ったなら、その世界の法則を学ぶ事が大切でしょう。
死んで死後の世界に行ったら、この世のルールはすっぱり忘れて新しいルールを素直に受け入れ学ぶ事が大切だろうなとは思います。。。
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