■「あの娘は知らない」
ストーリー
とある街(伊東らしい)で休業中の旅館。若い娘・ナナ(福地桃子)が一人、館内を掃除し、温泉に入ったりしている。 そこに若い男性・俊太郎(岡山天音)がやってきて、休業中だけど泊めてもらえないかと言う。 事情を聞くと、俊太郎の大切な人が・・・亡くなってしまった恋人がこの旅館に泊まっていたからだと言う。できたらその恋人(唯子)の事を知っていたら教えて欲しいという俊太郎。 翌日から、唯子の足跡を追って街を巡る俊太郎とそれにナナ。 やがて、二人の事情が徐々に明かされていく。 俊太郎は唯子と結婚目前だったが、婚前検査で俊太郎も唯子も子供ができな体である事が判明してしまった。 それから、唯子はフラリとやってきてナナの旅館に泊まっていたが、その事も俊太郎は知らなかった。 両親と祖母が亡くなってしまい、経営していた旅館に一人、残されてしまったナナ。 ナナはレズビアンで、高校時代に先輩(女性)に告白してフラれ、それがバレ、以降は息を潜めるように生きてきた。 しかし、俊太郎に付き合って街を出歩いた事で、同級生やフラレた恋人に再会してしまう・・・ 俊太郎にナナは「唯子さんは別に俊太郎の事や子供の事が原因で死んだわけじゃないと思います」と告げる。 夜の海に入る俊太郎。それを追うナナ。 ナナはその夜、両親が死んだ後初めて、声を出して泣けたのであった。 旅館を再会したナナを見て、俊太郎も帰郷する事に。 最後に俊太郎はサンダーソニアの花束をナナの部屋に残していった。 サンダーソニアは物語の冒頭から登場し、唯子が好きな花だった。ナナに「花言葉を知ってる?」と聞かれて俊太郎は知ってると答えるが、花言葉が何だったかは最後まで明かされずに終わる。 ⇒調べてみました。 サンダーソニアの花言葉は「望郷」 ただ、花言葉というのは、贈り物として使われた場合は若干ニュアンスが変わるのだそうで。 つまり、最後に俊太郎が残したメッセージは 「遠くからあなたを想っています」 だったんじゃないかなぁと思います。 大切なモノを失ってしまった者という共通点のある俊太郎とナナ。 ナナはレスビアンだし、俊太郎は新しい恋に向かうには早すぎる。 二人は惹かれ合っていたのか、傷を舐め合っていただけなのか? 男と女として結ばれる事はないが、大切に想っています。 だったんじゃないかと思いました。 ストーリー的には、ナナの両親の死と、唯子の死因がはっきりと明かされずモヤモヤした感じを残してるのが残念。 結局、唯子は自殺だったのか? ただの交通事故だったのか? 俊太郎は「最後に街で一番好きな場所を教えて」とナナに頼むが、連れて行かれたのは坂の途中、サンダーソニアの花束が供えられていた場所。 「○○○○が死んだ場所が好きって、変かな?」とナナが言うのだけど・・・ 誰だって??? 「友人」と解釈している人が多いようですが、「両親」と聞こえなくもないのです。 なんどか巻き戻して聞き直してみましたが、はっきりしない。わざとそういう言い方をさせる演出だったのかなと思いました。 友人なら唯子ですが、だとすると、唯子は自殺ではなく単に交通事故で死んだ事になります。 ナナは「唯子はこの街で死んだんじゃない、本当に死んだ場所に案内します」と言って俊太郎を初島に案内しましたが・・・??? 「変かな?」と聞かれて俊太郎は「初島に行く前だったら変だと想ったかもしれない」と答えました。 両親の死因も唯子の死因もはっきりと描かれていないので、見た人の自由な解釈(妄想)を広げる演出? 「あの娘は知らない」というタイトルの意味も分からないし。 個人的に、はっきりしないで「見た人の解釈に任せる」的な曖昧な結末のストーリーは嫌いなので、減点です(笑) 穏やかな、美しい映画ではあったと思いました。


コメント