内容としてはごく当たり前の事しか書いてありません。十分理解している人には釈迦に説法だと思いますが。
「ネックポケット シム」について、混乱/勘違いもあるかな?と思ったので少し整理を・・・
それは弦高を下げるために、いきなりシムを使って調整するのは間違いという事です。
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どうも、ブリッジの調整やナットの調整に言及せずにシムを入れるのが良いと誤解させてしまいそうなサイトもあるような。記事を書いてらっしゃる方は分かってると思うのですが、初心者から見ると誤解を招くかも知れませんね。
弦高を下げたいと言う場合、ネックのジョイント部分を弄るより、まずはブリッジ側で調整するのが普通ですね。エレキギターならネジで調節できるようになっているものが多いですから、それが一番簡単です。
が・・・理想を言えば、弦高調整はまず最初にナット側の調整を行うべきだと個人的には思っていますが。( ⇒ ナットの調整の話 )
しかし、ナットの調整は、加工が必要なのでやや敷居が高いですよね。シムを挟むのは、簡単にできて簡単に戻せるので、やってみたくなるのは分かります。
ただ、よく理解せずにやって混乱してしまう人はいるかも知れませんので、整理を。。。
下はボルトオンタイプのギターを横から見た状態の略図です (ヘッドやテールピースは省略してあります) (A)ギターを横から見た状態 まず第一に、弦高というのは、ネック(指板・フレット)と弦の距離と、ボディと弦との距離の二種類があるわけですが、通常、弦高を下げたいという場合、ネック側の弦高が問題になってる事が多いと思います。 その場合、関係があるのは弦・ネック(指板/フレット)・ブリッジの三者。ボディ側は関係有りません。 ※ボディと弦の距離関係が変われば、音質的には変化があるはずですが、ボディが弦とどれだけ離れていようがくっついていようがねじれていようが、"指板上の弦高"には関係がありません。 下図(B)と(C)は、どちらもネック上における弦高は同じです。 (B)ネックの仕込み角度小 (C)ネックの仕込み角度大 ネックの取り付け角度は異なっていますが、ブリッジの高さが違うので、ネックの上では同じ弦高になっていますね。 なんのために調整するのかよく理解していないで ネックとボディを外して、シムを挟んでみた。 ↓ 弦高が下がり過ぎた ↓ ブリッジを高く調整しなおした ↓ ネック側の弦高は元通り(だけどボディ側の弦高が高くなった) という事では、なんのためにシムを挟んだのか、その意味が分かりませんね。(ボディ側の弦高を上げたかったのなら狙いどおりですが。) おそらく、そのようなケースでは、実は弦高は適正値(許容範囲の中)で、ブリッジサドルとナットの微調整だけで収まるケースが多いのではないかと思います。 あくまで「ネック側の弦高を変えたい」のが狙いならば、ナットとブリッジサドル、そして指板(フレット)との位置関係だけが問題です。じつはボディがどのような付き方をしていようと無関係なんですね。 例えば下図のようなネックの付け方をされているギターがあっても ブリッジを下げて調整できる範囲であれば、ネック上の弦高は変わりません。 たとえば下図のようなケースでも ブリッジを上げて調整できるのなら、ネック側の弦高は変わらないわけです。 (※もちろん、ボディと弦の距離や各所の角度が変わることによって、音質や演奏性は変わかりますから、そこを狙っての調整ならば意味がありますが。)
では、なぜネックの仕込み角度を変える必要が生じるのか?(次ページへ続く)
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