2017年10月に行われる衆院選
それに向けて急造された某政党が、公約に「ベーシックインカム」を掲げたらしい。
「ベーシックインカム」とは、ひと言で言うと、国民全員に、国が毎月お金を支給する、という制度。
国民は、働かなくても、国から毎月生活費を貰って生きていくことができるようになる。もらう側からしたら夢のような話だ。
しかし、ちょっと待って、そのお金はどこから来るの???
毎日、毎月、税金を取られ、さらに税金が足りないと、消費税増税が予定されている状況で、それはおかしな話で・・・
税金を取られるけれど、それ以上のお金が国から支給される事になる?
そんなお金があるなら、税金など取る必要はないはずでは?????
その党の案では、一人当たり毎月10万円支給するらしい。
民主党政権時代に、子供の居る家庭限定の月25000円の「子ども手当」すら、財源が足りず、支給しきれなかったと記憶しているが・・・????
そもそも、ベーシックインカムとは
そもそも、ベーシックインカムとは、1516年にイングランドのトマス・モアという宗教家・哲学者の書いた「ユートピア」と言う本に出て来る概念らしい。
「ユートピア」という言葉の語源(というかそのもの)であり、「現実には決して存在しない理想的な社会」を意味する言葉だそうで。
トマス・モアの書いたその内容は、財産の共有化(個人の財産の所有禁止)など、かなり共産主義的な印象を受ける。
じつは、トマス・モアは本気で理想の社会を描いたのではなく、皮肉・風刺を込めて、議論のネタとして書いたと言われているそうな。(トマス・モアは熱心なカトリック信者であったが、「ユートビア」の中には、その信条とは真反対の宗教観が描かれている。)
誰も働かなくても生きていける世界・・・それは財源の問題で現実には存在しない、皮肉で書かれた理想郷なわけですね。
仮想の理想郷・ユートピアの話はともかくとして、現代において提唱されている「ベーシックインカム」の考え方は、働かなくても良い、という意味ではなく、生活保護の概念に近いようで。
つまり、すべての国民が、最低限の普通の生活を保証する制度=最低限、餓死しない程度のお金を支給しましょう、ということらしい。(もっと良い生活がしたい人はがんばって働きなさい、と。)
だったら、最低限の生活が送れない貧困層にだけ適用する、ということなら理解しやすいのだが・・・すべての国民に、ということになると、財源は?という話になってしまう。
ではまったく実在しないかというと、ごく少数ですが、ないわけでもないのだとか。ただそれは特殊な事例―――例えば産油国など、国民から税金を徴収しなくとも、国が莫大な資産を持っていて、国民を養ってくれるという場合ですね。
あるいは、共産主義国――――これもまた、完全な形では現実には存在しない理想国家なわけですが――――であれば、国が全国民を労働者として雇い、全国民に給料を払う、という意味では、近いとは言えるかもしれない。(※こちらは働かなくてよいわけではないが。)
その他の国でベーシックインカムを実現するためには、最初に書いたように、税金を徴収している国の状況で、すべての国民にお金を配るというのは矛盾があるわけで。
たくさんのお金を稼ぐ層、あるいは資産をもっている層など、一定以上の稼ぎがある層からは税金を徴収して賄う、ということを考えているのだろうと思うが・・・
その考え方は資本主義的ではなく、どちらかと言うと、共産主義的と思える。
仮に、最低限とはいえ、働かなくても生きていけるとなると、自分はそれでいい、働きたくない、という人間が多くなるのではないか?または、お金をたくさん稼いでいる層の人間からは、自分たちばかり税金を取られるのは不満が出る事は用意に考えられる。
考えてみれば、現状でも、一部の貧困層には生活保護という形で国が生活を保証しているわけで。
つまり、ベーシックインカムとは、これを全国民に広げること・・・「全国民の生活保護化」と言えるのではなかろうか・・・
どう考えても、資源のない国には実現は難しそうな気がするが。
(もしかして、共産主義者の洗脳作戦のひとつなのかも?)
※2016年に、スイスでベーシックインカム導入が実際に提案され、国民投票が行われたが、反対多数で否決された、という事例があった。
もし実現できれば素晴らしいことなのだろうが、世界中の多くの人々が、まだ、実現するのは難しいだろうと考えているのだと思う。。。
しかし・・・某政党は公約に「花粉症ゼロ」とか謳っているとか・・・科学的に解決する方法の見つかっていない事を、政治的な公約にしてしまうとか、どうやって実現するつもりなんだ?
と思いきや。
掲げた公約は全て
「目指して努力する」
「議論を進める」
だけで、「実現します」とは一言も言ってないとか。
そんなん誰でも言えますね。もはや政治ではない・・・
とは言え、なんの政策も方向性も示さず、何にでもひたすら「反対」「政権を倒せ」しか言わない政党・政治家よりははるかにマシか
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