映画『よみがえりの島 』(2016) 監督・脚本:山内大輔 主演:朝倉ことみ・川瀬陽太 ピンク映画の大蔵映画が前年公開した成人映画『情炎の島 濡れた熱帯夜』(R18+)を、ドラマ部分を充実させR15+版として一般劇場公開したものだそうです。 ヒロインは2017年に引退宣言したAV女優・朝倉ことみ ですが、最初からずっと重苦しい雰囲気が満ちていて、エロス系の映画なのにあまりそんな気持ちになれず、なんだか悲しい映画でした・・・ 川瀬陽太出演の映画は、ハードボイルド/バイオレンスなイメージが強くて、なんだかあまりエロくならないですよね・・・その分、B級映画感は強いですが(笑) B級映画としては良作じゃないでしょうか。 B級映画というよりは、まるで純文学? とても良いと思います。
あらすじは下へ(ネタバレ注意)
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売れない小説家の吉岡は、官能小説で食いつないでいた。 アルバイトでカルチャースクールの小説講座の講師などもしていたが、そこで生徒の一人にに声をかけられる。 吉岡の官能小説の熱烈なファンだというミチル(朝倉ことみ)。 二人は急速に接近、やがて結婚。 新婚旅行で行った南の島で、ミチルは「いつか先生が売れたら、この島でペンションをやりたい」と言う。 自分は才能がないからと小説家の道を諦めたミチル、しかし吉岡には才能があるから頑張って欲しいと言い、ミチルは働きに出、吉岡には小説に専念してもらうという生活が始まる。 しかし、吉岡は、話は面白いが官能小説としてはエロくないと不人気で、不況もあり原稿料も下げられてしまう。 ミチルは仕事でエロいオヤジの客に乱暴されそうになるが、なんとか逃げ出す しかし、家に帰ったミチルは、飲んだくれてばかりで家事もせず小説も書かない吉岡に苛立ち、思わず詰ってしまう。 吉岡はスナックのママ・マキと浮気し家に帰らなくなる・・・ ミチルは詰ったことを謝り、帰ってほしいと懇願するが、吉岡は卑屈な態度になるばかり 「書けない。書きたいことも書かなければいけない事もみつからない」 献身的なミチルの愛情が、かえって吉岡を自己嫌悪に追い込んでいく。 しかし、やがてマキの夫が刑務所を出所、吉岡は逃げるように家に帰ることに。 久々に家に帰った吉岡を優しく迎えるミチル。 その姿に打たれてか、吉岡は心を入れ替え必死で小説を書き始める。 一年後、小説は完成し、それが認められ、新人賞を取るまでになった。 ミチルに、約束通りあの島に行ってペンションをやろうと言う吉岡、喜ぶミチル。
南の島・・・しかし、吉岡はそこで一人、飲んだくれていた。 千鳥足で歩いているところを、島のスナックのママに強引に引き込まれる。 吉岡はママ・明恵に、やっとこれからと言う時に妻が交通事故で死んでしまったと泣く。。。 明恵は実は島のユタ(霊能者)で、この香袋を持って島の裏側の霊場に行けば奥さんに会えると教えてくれる。 吉岡が言われた通り島の裏側の灯台に行ってみると、そこにミチルが居た。 吉岡は蘇ったミチルを連れて戻り、ペンションの開店準備を始める。 二人だけの甘い幸せな生活が始まるが・・・しかし、やがて、別れの時。 死者の蘇りは香袋の匂いがなくなるまでなのだった・・・ 別れを惜しみ嘆く吉岡に、ミチルは小説を書き続けてほしいと言う。 「先生の物語の中で私は生き続ける・・・」 浜辺に一人残される吉岡・・・
シーンは代わり、病室、ベッドの上で息を引き取る吉岡。ベッドの傍らには・・・ ミチルが居た。 事故で本当はミチルが死ぬはずだったが、ミチルを庇って吉岡が身代わりになったとミチルが語る。 (吉岡の島での生活は病床の吉岡が見た夢だったのか?)
ミチルは島に渡り、そこで吉岡の残した小説の続きを書いていた。 吉岡が夢に出てきて「小説の続きを書け」と言ったからだ。 「俺の教え子なんだから、きっと書けるはずだ」 原稿を送った編集部から電話が入る。 「一体どこまでが吉岡先生が書いた部分なのですか?!?!」 自分には書く才能がない。しかし書き続けなければならない。 自分の書く小説の中で、先生はずっと生き続けるから・・・
島の霊場の岩場にミチルは香袋を持って立っていた。 そこにミチルを呼ぶ吉岡の声 笑顔で振り返るミチル。。。(END)
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