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【妄想小説】別人誕生

政治・経済・法律
「背乗り」という言葉があるんだそうで。

「せのり」ではなく「はいのり」と読むらしい。

他人の戸籍を乗っ取ってなりすます事を言うのだとか。

聞き慣れない言葉だが、日本以外の国の言語が由来なのかもしれない。

普通、別人が誰かに成りすますなどというのは、難しい気がする。

家族や友人、知人が見れば、別人だと一目で分かってしまう。

しかし、例えば、天涯孤独の人なら?

ある日、その人が姿を消して(引っ越して)、別の街に別人がその人間に成り代わって転入届を出したら?

日本の住民票には、本人を確定するための生体情報等は記録されていない。

あれ、この住民票が自分のものだっていう証明って、どうやってすればいいんだろう?

身分証明書?

顔写真付きの身分証明書があれば、まあ顔写真は本人を特定するための有力な生体情報であると言えるでしょうか。

しかし、顔写真付きの身分証明書って、運転免許証くらいですよね。(申請して取得した人はマイナンバーカードも。)

運転免許証って、本籍が記載された住民票と健康保険証があれば取れるみたい。(どちらも顔写真なし)

免許証紛失時も、住所・氏名・生年月日を確認できる書類を持って運転免許センターに行って申し込めば再発行してもらえるようです。

本人確認の書類は「保険証」「パスポート」「社員証」「学生証」「住民票」「在留カード」「特別永住者証明書」などで、顔写真はなくても
OK。

あれ、これって、住民票さえ手に入れば、別人が顔写真入りの運転免許証を獲得できてしまいません?

住民票の写しを役所で請求するためには、顔写真付きの本人確認書類が必要になるようですので、卵が先か、鶏が先か、みたいな話になってしまいますが。

顔写真付きの証明書がない場合は、二点以上の証明書類(健康保険証等)があればOKらしいですし、第三者請求といって債権者などは取得できてしまうようです。

例えば、です。

これは架空の妄想の話ですが…

ある街、それほど都会ではないですが、住民が全員顔見知りというような田舎というわけでもない、地方都市。 そこに、Aさんという人が住んでいました。Aさんは両親を早くに亡くし、兄弟親戚もおらず、天涯孤独の身でした。 ある日の夜中、Aさん宅に何者かが侵入してきました。 寝込みを襲われたAさんは声を上げる間もなく殺されてしまいました。 侵入者はプロの殺し屋だったようです。 侵入者の合図で仲間が部屋にやってきて、死体をバラバラにし、小分けにして箱詰め。 また、家探しして、Aさんの運転免許証、健康保険証などの書類を見つけ出しました。 翌日、警察署の運転免許課に謎の男Bが現れます。免許証を紛失したとして、再交付の手続きを行いました。本人確認書類には、Aさんの健康保険証を使い、Bの顔写真が入った運転免許証が再交付されました。 同時に、Aさんの家には引っ越し屋のトラックがやってきており、家の中の荷物をまとめて運び出しました。 引っ越しの荷物と一緒に梱包されたAさんの遺体も運び出されました。 Bは自分の顔写真の入った運転免許証を使い、役所で堂々と手続きをして、別の街に引っ越してしまったのでした。 こうして、Aさんは夜逃げのように姿を消してしまうこととなったのです。 その後、引っ越した先の街で、BはAの名前で生活を始めます。Bの顔写真入が付いたAの運転免許証があるので(偽造でもない、日本の警察が発行した本物の運転免許証です)、転出届・転入届もAとして普通に手続きできてしまいます。 Aには身寄りがないため、誰も疑うものはありません。 数年後、Aを名乗っったB、つまり偽Aは、その街で選挙に出馬します。 実は、偽Aの背後には組織がついていました。Aさんの殺害・遺体処理までその組織による犯行だったのです。 組織票により当選した偽Aは、政治家として力をつけていき、ついには国会議員に当選し、大臣の地位を得るまでになっていました。 選挙のときは、「国民の生活を良くするために清き一票を」などと叫んでいましたが、実際には、背後の組織の指示を受けて動く傀儡でしかないのでした。。。 この偽Aの出自に疑問を抱き、出身地と言われている街まで行って、当時のAさんを知っている人Cを探し出して訊いてみた人が居ました。 Cさんは、Aが現在大臣になっていると言うと大変驚いていました。曰く 「まったく知らなかった、Aとは顔も違うような気がする」 と…


以上は架空の街の架空の人物の話ですが、実際にこのような事が行われているという噂も・・・?

野党の国会議員のあの人とかアノ人とか、実はこのようにして入れ替わった別人である、などという噂話も流れているようです。

(真偽は不明)

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