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【言論の規制は野蛮な文明の証明】差別発言には言論で対抗すべき

時事・話題政治・経済・法律
日本は(いや世界的にも?)もっと「言論の自由」を大事にすべきだと思う。

歴史上、民衆が言論の自由を獲得するのがどれだけ大変だったことか。

それを忘れてしまってはいけない。

言論を「規制」するというのは、人権も認められていなかったような古い時代の文明と同じと言える。

現代の先進文明であるなら、自由な発言を認め、言論には言論で対抗する社会であるべき。

人の自由な発言を規制し、人々の口を力づくで塞ごうとするのは野蛮な行為なのだ。たとえそれが「差別発言」であろうとも、である。

差別発言に対しては、反論と批判の意見が圧倒することで対抗すべきなのだ。それが平和的な先進文明というもの。

そういう意識を、もっと世界に広めて行くべき。

どのような内容であろうと、単なる「言葉」を暴力と同じように規制するのは野蛮な文明の証拠である。

最近、やたらと差別という言葉を聞くようになった。

大阪市では2016年に、東京都でも2018年10月(今月)、ヘイトスピーチ規制条例が可決された。
全国初のヘイトスピーチ抑止条例が成立 大阪市、認定団体は名称公表
ヘイトスピーチ(憎悪表現)の抑止策を定めた全国初の条例案が15日深夜、大阪市議会で大阪維新の会や公明、共産両党などの賛成多数で可決、成立した。市は、新設する審査…
www.sankei.com
東京都、ヘイト規制条例が成立 都道府県で初、五輪前の来年施行
2020年東京五輪・パラリンピックに向け、ヘイトスピーチを規制し、性的少数者(LGBT)への差別解消を目指す東京都の人権条例が、5日の都議会で賛成多数で可決、成立した。都によると、条例でヘイトスピーチを規制するのは都道府県では初といい、都は19年4月の全面施行を目指す。 条例は、五輪憲章にうたわれる人権尊重の理念を踏まえたもので、ヘイトスピーチに対しては、知事が基準を設け、公共施設の利用を制限できるとし、実施団体名の公表やネット上の書き込みや動画の削除要請も可能と定めた。 LGBTについては、不当な差別を禁止する努力規定を設け、基本計画を定めるとした。
www.msn.com
ツイッターやフェイスブックなどのSNSでも差別的表現の検閲が行われ、削除されるケースが非常に多くなっている。

以前から、差別的表現として放送禁止用語というのがあって(これは放送業界の自主規制に過ぎないもので、なんら法的根拠はないのだが)、ただの「言葉狩り」としか思えないような事例があったが、とうとう、それが自治体にまで広まっていっている模様だ
「お父さん、お母さん、夫、妻は差別用語なので使用禁止」 LGBTに配慮した千葉市の方針が波紋を呼ぶ
千葉市がLGBTに配慮した対応に先進的に取り組んでいる。だが、少なからず反発の声もあり、賛否両論が飛び交ってい…
netgeek.biz
【悲報】千葉市「お母さん、お父さん呼びはLGBT差別につながるので廃止します」:暇つぶしニュース
[14件のコメント] もう、差別という言葉は差別につながるので廃止しますでいいだろ / 私がベ平連の人権団体に所属していた時はこんな感じでした。ずいぶん古いことやっているな。と。20年前の話じゃないんですか? / へぇ…まじめに取り組むとホンマ難しい問題やな…
ceron.jp
差別は良くない。それは当然だが。単純に「言葉」を規制したところで、また別の言葉が使われるようになるだけ、使えなくなる単語が増えていくだけである。

また、伝統的に使われてきた言葉が使えなくなるというのも、国語の文化が失われていくことにも繋がる。(明らかな差別用語ならともかく、お父さん・お母さんが使えないというのは、影響が大きすぎるだろう。)

放送禁止用語も、千葉県のガイドラインも、一般の人間に対して法的拘束力があるわけではないが、ヘイトスピーチ規制法などは拘束力を持つ法律であり、大問題であろう。

こちらのコラムでも「配慮」と「禁止」は違うと書かれているが、もし法的に禁止するということになると、それは言論の自由を奪う野蛮な制度に他ならない。
【正論】LGBT差別禁止法に異議あり! 異性愛を指向する価値観に混乱をきたしてはならない 麗澤大教授・八木秀次
憲法・民法との間に生じる齟齬昨年4月、東京都渋谷区が同性カップルを「結婚に相当する関係」と扱う「同性パートナーシップ条例」を施行した。9月には世田谷区が条例によ…
www.sankei.com
差別を放置せよということではない。

暴力があったとか、本来平等であるはずの行政サービスに不公平な扱いがあったなど、明らかに実被害があった場合は、規制・処罰もやむを得ないだろう。

しかし、単に「言葉」を発しただけで処罰というのは、あまりに危険すぎる話だ。

名誉棄損があったなら、名誉棄損で訴えればよい。実被害があれば、その分の損害賠償請求ができる。

しかし、言葉だけで何の被害もこうむっていない人間が、相手の口を封じるというのは、言論の自由の侵害に他ならない。

実被害がない範囲においては、言論の自由を尊重し、差別による規制は最低限度に抑えるべきだろう。

Google社内で起きた性差別の問題が興味深い。

別に私は女性がプログラミングに向いていないなどとはまったく思わない。なので、このエンジニアの主張にはまったく賛同できないが。

しかし、このエンジニアが自分の意見を言う自由は守りたいと思う。

まぁ、Googleは私企業なので、社内の独自規定によって、差別発言をしたエンジニアを解雇することは問題ないだろうが。

しかし、これが社会全体に、すべての人に適用される法律となると、かなり問題があるだろう。
Google、中の人の「女性は生まれつきエンジニアに向かない」文書回覧で社内騒然
ダイバーシティ重視を打ち出しているのにエンジニアの女性比率がなかなか上がらないGoogleさん。男性エンジニアが「だって女性はエンジニアに向いてないんだよ」という社内文書を公開して大騒ぎ。新任のダイバーシティ担当幹部の最初のジャブは無難なものでした…
www.itmedia.co.jp
「女性はエンジニアに向かない」主張のGoogle元社員に右翼は賛同、反対者を攻撃
「Googleのダイバーシティへの取り組み方は間違っている。女性は生物学的にエンジニアやリーダーには向かない」という文書をめぐる議論が、文書を書いたエンジニアの解雇やオルタナ右翼の参戦で燃え広がっています。…
www.itmedia.co.jp
「差別」と「言論の自由」は、常に対立するものになるようだ。

どちらかが絶対であるというものではなく、バランスが大切なのだろう。

差別は許されるべきではないが、規制するとなると、自由な意見が何も言えなくなってしまう。

言論の自由も行き過ぎれば、潜在的に被害を被る被差別者が出る事になるだろう。

現代社会は、言論の自由が当たり前になったため、それを守り勝ち取る意識が薄くなり、差別を声高に叫ぶ声ばかりが多くなり、それがスタンダードであるかのように錯覚して(差別側に傾きすぎて)いるのだと思う。

自分たちの意見が少数派になることを知っている勢力は、自由な発言を許したくない。

「差別を許すな」という事を、都合の悪い意見を封じ込めるための詭弁に利用する者も出てくるわけで。

それは実は、恐ろしく野蛮な行為であることを忘れてはいけない。

それを行いたいのが誰なのか、押して知るべし。

ジャーナリズムの劣化が叫ばれて久しいが、現代のマスコミ・マスメディアは、こぞって「反差別」を訴えている。それは一見、悪いことではないようにも見えるが、本来、ジャーナリズムこそは、言論の自由を最も大切にしなければならない機関のはず。

「"公権力を監視する"という役割をジャーナリズムは持っている」と言った人があったそうだが、しかし現在は、そのジャーナリズムが挙ってヘイトスピーチ規制を推奨しているかのようにさえ見える。(言論の自由が規制される事について警鐘を鳴らすマスメディアはほとんど見かけられなくなった。)

まるで、公権力が言論を規制することをマスメディアが是としているかのようである。

「公権力を監視する」「ペンは剣よりも強し」というジャーナリストの矜持はどこにいってしまったのか・・・

「言葉の暴力」という言葉もある、もちろんそれはあると思う。

しかしそれを、物理的な暴力と同列に扱うのはやはりおかしいということになるだろう。

人を殴ったら、逮捕され刑務所に入れられる。それは当然。しかし、ある種の言葉を口にした途端、単なる言葉だけで処罰されるとしたら、恐ろしい社会だ。

間違った言葉を発したものがいたら、言葉で説得し、間違っていることを理解させるべきだろう。説得せず、法律で規制して封殺するというのは、時代を逆行して野蛮な社会となっていると言える。

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