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橋下徹と仮面ライダーとキカイダー

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以前から何度か取り上げているトロッコ問題、その回答は、「政治家」の視点から見た時、明確に結論が出るような気がします…



個々の人間としての善意や倫理、正義と言った問題とは違い、"政治家"としての判断ならば、

『多数の利益を優先する』

のが大原則。

政治家は、宗教家ではない。

政治家の仕事は、人としての道や倫理を説くものではなく、より多くの人の利益を守る判断をすること。

それは、多数決が基本の民主主義では当然だが、共産主義であっても同じであると言えるでしょう。

少数をないがしろにして良いわけではないが、もし、政治家が、何の理由もなく、大勢の人を死なせて一部の人だけが助かる判断をしたとしたら、その判断はおかしいと責められる事になるのは想像に難くないわけで。

もちろん、できれば少数を見捨てない、全ての人の幸福を目指すのが大前提ではあるでしょう。

安易に多数優先の判断をするのは間違っている。

しかし、今まさに、多くの人の命が失われようとしているような、ギリギリの判断を迫られた時、"判断を下せない" 人間では、政治家=人類のリーダーとしては失格ですね。

トロッコ問題を目前としたとき・・・

一瞬後には一人の命か、多くの命かどちらかが失われるという時

-----最後の瞬間まで全員救う方法を模索するとしても-----

最後の瞬間には決断しなければならないし

それは、やはり多数の命を救う選択をするのが政治家としてのとるべき判断ということになるでしょう。

先日の超大型台風による被害に関連して、元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹氏が

『行政はわざと上流で川を氾濫させて都市部を守る治水行政を行っている』

と発言して話題になっていました。
橋下徹氏が明かした治水行政に驚きの声 「あえて上流で氾濫させる」
史上最大級との指摘もあった台風19号、記録的大雨と暴風の被害に多くの人が苦しんでいる。 13日放送『Mr.サン……
sirabee.com
この発言については、脊髄反射で批判する人も多かったけれど、政治家としては当たり前の事を言っているだけだと思いました。

予算その他の事情で、どうしても両方救えない状況があるなら、人口が多く行政の中枢施設も多い都市部を守るのは当然の判断でしょう。
橋下徹が語る治水行政「大阪で淀川が氾濫しそうになったら上流の瀬田川で止めて滋賀で氾濫させて大阪を守る」
みなさんの隙間時間を埋める情報をがんがん共有していきます! あなたの知らない世界の出来事がココにある!!…
temita.jp
この橋下氏の発言は、批判する声もあったが、私は評価したい。

「都市部ばかりが優遇されているのはケシカラン」とか、「田舎のほうも金をかけて治水事業をしろ」などと言う意見もあるでしょうが、現実性をともなわない理想論に過ぎない。

それらは莫大な金がかかる事であるし、人口が多い都市部ならば税収も多いだろうが、人口の少ない地域では予算もない。

仮に国が予算を出したとしても、今度はダムや堤防を作るために立ち退けと言われた地域の住民が「反対運動」を起こしたりする。
※先日の台風で、多摩川で決壊し死者も出た地域がありましたが、「眺望が悪くなる」「堤防の上から家が覗かれる」などの理由で反対運動が起こり、堤防が作られなかったとか?
はっきり言って

「金はない、他の人が(国民の税金から)出せ」
「立ち退きは嫌だ」
「ダムも堤防も作るな」
「でも氾濫は防げ」

では、どうすれば良いのか?
そうなるともはや、ないものねだりの我儘でしかないと思いますが・・・・それはともかく。

現実に、上流の地域や田舎のほうまで十分に金をかけて、氾濫しないように工事を行ったとして。

では堤防の高さの想定は何メートルにするのか?という問題になるわけで。

どのような高さを想定して作った堤防であっても、今回のように、想定を超えた雨が降った場合は、当然、どこかで氾濫する事になるわけです。

どのような高さを想定して作った堤防であっても、その想定を超える大雨が降る可能性がゼロではない以上、もし超えてしまった場合に、どこから氾濫させ、どこを遅らせるかは、当然考えなければならない事なわけで。

この問題は、治水行政で氾濫する地域を作るやり方が問題なのではなく、最初に氾濫させる地域に住んでいる人にアナウンスが足りなかった事が問題なのでしょう。(橋下氏が情報公開と言っているのはそういう事なのでしょう。)
極端な話、数十年に一度の氾濫を防ぐために莫大なお金と環境を犠牲にして対策を取るより、氾濫した後、その地域の住民に税金から保証を出したほうが安く済む、というケースだってあるかも知れない。

毎回水没した家屋敷や家財を新品に変えて貰えるなら、そういう地域に住んでも良いという人も出てくるかもしれない(笑)

そうであれば、その地域の住民には条件を周知徹底し、避難場所や避難訓練などもきちっと取り組んでいれば良いだけで。
現実には、国または自治体が保証を出すという話はあまり聞いたことはないが、少なくとも、堤防の内側(河川敷側)と言ってもよいような地域を自ら選んで住んでいる人がいるのも事実であり。

危険性を分かって住んでいる人は良い。が、それを知らずに移住してくる人が居るとしたら、アナウンスが足りないという事はあるかも知れません。

否、これだけ「ハザードマップ」等を公表して警告を促しているのだから、そこをあえて選んで住むという人は、知らなかったと言えば勉強不足と言うしかないかも知れないですね。

「多数を救うために少数を犠牲にする」

この問題は、政治においては必ず考えなければならない問題であり、答えは分かりきってはいるのだが、それを公に口に出して言うことは憚る、というのが「大人の対応」として、口に出さずに来たと思います。

しかし、政治家や行政がそれを口に出すことを憚る空気が長く蔓延した結果、暗黙の了解として知っているべきはずの事を「知らない人」が増えてしまったのかも・・・?

(色々と問題が多いと言われる人物ではありますが、こういう言いにくいことをズバッと言ってしまうのが、橋下徹という人物の真骨頂ですかね。)

トロッコ問題を政治の問題として引き合いに出すのは適切ではないかも知れません。単純に多数対少数にしてしまうと、政治的には答えは簡単過ぎというか・・・(1人対5人で議論が決着しないのは、正直、低レベルで残念でさえ…)

政治的な問題としてアレンジするならば、答えが分かりきっている多数対少数という条件ではなく、

『同数の場合どちらを選択するか?』

という問題にしたほうが、悩ましいですね。

そうなると、人数ではない何かを基準にして、判断を下さなければならない事になるわけで。

例えば、

5人対1人だが1人のほうが自分の家族であったら?
5人対1人だが5人はホームレス、1人は医者だったら?
5人対5人だが、片方は若い人のみ、片方は老人のみだったら?
5人対5人だが、片方は男性のみ、片方は女性のみだったら?
5人対5人だが、片方のグループは高収入、もう片方は低収入だったら?

などの条件が付加されれば、難しい判断を強いられる事になる。

自動運転の実用化が現実味を帯びてきた状況で、同様の問題が発生してくるので、トロッコ問題が引き合いに出される事が多いですが。
自動運転の未来『トロッコ問題』と顔認識による『年収判断』 (60) - 深田萌絵 本人公式 ITビジネスアナリスト 深田萌絵ブログ…
fukadamoe.blog.fc2.com
しかし、実はこの段階では、AIの問題などではないと思います。

この「判断基準」についてAIの問題として議論している人は、ちょっとピントを外している…

長くなったので分けます

⇒ 橋下徹と仮面ライダーとキカイダー(2)

なかなか仮面ライダーとキカイダーの話に辿り着かない…(笑)

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